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深夜の鎮守府の指令室に響くのは粘着質な水音とこぼれる熱っぽい吐息。椅子に座る提督の性器を小さな口をいっぱいに頬張り舌で転がす。 綾波型駆逐艦、漣はその頬を自身の髪と同じくピンクに染めながら一心に奉仕をする。 「んふ…」「…ッ」 喉奥を使い涙で目を潤わせながら射精を促す 「出るぞッ」 どっぷりと放たれた白濁が漣の喉を通る。提督の性器が口から離れるがまだ出し切られなかった精液がつぅっと橋を作る。 「んく…メシマズッ!」「そりゃそうだろう、つかメシマズって…」 数か月前 本土から離れたこの泊地に漣と共に着任し、最低限の資材でやりくり、資材確保に奔走しようやく出撃できたのは着任から5日後。 艦隊と呼ぶには小さいが近海の深海棲艦を初めて倒し、初のMVPを獲得したのは漣だった。 「ご主人様。MVPのご褒美ください」 と修繕を終えた彼女の要求に 「分った。ある程度のモノなら何でも言ってくれ」 と書類整理の片手間で答えた。すると彼女は私の隣に移動し 「ん?今、なんでもって言いましたよね?」 と耳元でささやかれた。私が反応するが早いか机と私の間に入り込みすとんと向かい合う形で私の膝の上に座る。 そしてぽかんとする私の唇にちゅうと唇があてがわれる。それも触れるような可愛らしいモノでなく舌を入れ歯の隙間から此方の口内を貪るような激しいモノだった。 数十秒好き勝手に動いた彼女の舌はぴちゃという水音と共にゆっくりと離れていく 「何を…」「ご主人様…」 うつむき体を震わせ抱きついてくる。思わず抱きしめると少し震えが止まりポツリポツリと語りだした 「この体で初めて出撃して、初めて敵艦を沈めてその時は嬉しかった、です。でもふと前に沈んだ時の事思い出してそれで…次沈むのは私かもって」 何時もの軽い調子でなく小さくなった彼女。 「だから、私、ご主人様に私の全部あげたくってその…」 そう言い終わる前にギュッと抱きしめる腕を強める 「大丈夫だ、私は絶対に誰も沈めたりしない」「ご主人様ぁ…」 彼女は顔を上げる。泣きそうな、しかしそれを抑え込みニィっと笑顔を作る 「女の子に此処までさせたからには答えないとな」「…ハイ」 今度はこちらからゆっくりと唇を重ねる。 まずは唇が触れるくらいに、そして舌を唇の間に滑り込ませ歯列をなぞる。そして舌同士を絡める。 「…ふあ」「ふう、次行くぞ」 コクっと頷くのを確認してセーラー服の中に手を入れる。膨らみかけの胸にある突起を爪で弾くとぴくんと体がはねる。 こんな少女を今からめちゃくちゃにするという背徳感が段々と興奮に変わっていく。 胸を弄る右手もほどほどに左手をスカートの中に突っ込む 「ひゃぁ!」「無理だと思ったらいえよ」 止まるか分らないけどと思いながらパンツの外から幼い裂け目をなぞる。すでに濡れている為ぬるっとした感触と柔らかな肉の弾力が指に絡む 「んん…」 必死に声を抑えようと手で口を押さえているのを見てなおさら声を出させたくなる。パンツをずらし直接指で陰核を刺激する。そして中指を膣内に入れていく 「ああ!」 きつく周囲の肉が指を締め付ける。ゆっくりと動かし解していく 「ご、主人、様ぁ!」 切なげな声が荒い息遣いと共に聞こえる。そして二本目の指を入れていく。くちくちゃという水音を大きくし羞恥心をあおる。 「さて…」「ご、主人様…やっち、まうのね…?」「嫌なら止めるが」「うんん、大丈夫です」 漣の愛液で濡れたズボンのチャックを開けるとギンギンに勃ち上がった陰茎が顔を出す 「グロイですね…」「お前なぁ…」 雰囲気も何もない感想にあきれつつも漣の腰を持ち上げる 「行くぞ」「お願いします」 にち…と粘着質な音と共に陰茎が飲み込まれていく。流石に慣らしたがキツくすぐには入らない。その間に再び右手で胸と左手で陰核を刺激し、啄むようにキスをする。 半分飲み込まれたくらいで緩慢な動きで腰を動かす。段々と深く飲み込まれていく陰茎に比例し柔らかく締め付けられる快感が強くなる。 そして陰茎が全てのみ込まれたところで動きを激しくしていく。 「あっ!ご主人様ッ!コレ気持ち、いい!」「ッ…漣!」 キュウと締め付けが強くなりゴプッと溜められた精液が漣の中に放たれる 「今回も~やられてしまいましたが~」 布団にくるまりニカッと笑う漣に腕枕をしながらあいている手で頭を撫でる。初夜から数か月、体を重ねるのはまだ片手で数えるほどだが段々と慣れたようで 「?どうかしましたか?ご主人様?」「ん?いや初めての時の気弱な漣ちゃんはもう見れないのかなーってな」 そう返すとむっとしたような表情になり 「女の子は弱いところは簡単には見せないんです」 と言い返してきた。もっとも彼女を悲しませるようなことはしないつもりだが 「漣」「なんですか?」「これからもよろしくな」「ハイ!」 「しかし全然育たないですねこの胸」 折角ご主人様が揉んでくれているのにと自身の胸を見て呟く 「揉んだら大きくなるってのは迷信かもな」「いやそんなことは無いですよ」「というと?」 「だって潮っぱいは私が揉んで育てたから」「やってる事エロおやじじゃねえか」
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「決まりましたか」 「うん。ラストは加古でいいや。暫く出してやってないし、たまにはブッ飛ばされたほうが気合い入るだろ」 軽く笑いながら明日の演習の行程表を渡してきた提督に、秘書艦である神通は困ったような微笑を浮かべた。 「本当に。…お強くなられて」 「うん?」 神通の小さなつぶやきに、提督が顔を上げた。小動物のような、それでいて独特の真剣さを持つ彼女の瞳を、問うように眺める。 「覚えておられますか?ここへ着任されて、最初の演習。貴方は」 「あぁ。あれは忘れるはずないよ」 失敗すれば恥をかく、判断を誤れば誰かが傷つく。 初演習の指揮を嫌がって逃げた新米提督に、平手打ちの一発で目を覚まさせたのは、彼女だった。 「第一印象も、普段の態度からも、正直、君はもっと弱い人だと思ってた。だから」 あれは効いた、と大げさに頬を抑えて若い提督は言った。 「…弱いですよ。私は」 細身の眉をひそめたまま、軽く頬を染めて、呟くように神通は応えた。 その特殊な家柄から積まされる経験のひとつに過ぎない、学卒直後の若造の、実戦も無しの三ヶ月。 …のはずだった『お飾り提督』期間は本人の強い希望により延長に延長を重ね、ついに一年を超えた。 まだまだ未熟さも目立つが有能な秘書艦のサポートもあり、実戦も経験、上も認める成果は着実に積み重ねられている。 既に互いを信頼する絆は、成熟の域に達しているという自負が彼にも彼女にもあった。 *** 「…神通。ちょっと…良いかな」 ふと執務の手を止めた提督の、熱のこもった視線が、神通を捉える。 二人きりの時間をここ執務室で、彼の私室で、そして――ベッドの上でまでも多くを過ごした今は、彼の心の灯はすぐに察せされる。 言われるままに近寄った彼女の唇を、立ち上がった提督は瞬時に奪い。 その余韻の醒めないうちに、耳元で何事かを囁いた。 神通の端正な顔が、みるみる紅潮する。 「…今から、ですか…」 「…いつでも君は、僕のやる気を引き出してくれる」 上手いことを言った御積りですか、と赤くなったまま再び呆れ顔を見せる彼女に、再度の口づけ。絡める舌に、神通の表情が蕩ける。 「君の困り顔は、本当に好きなんだ。なんていうか…我慢出来なくなる」 それ、褒めたつもりですか、と言いながら神通は、導かれるままに愛しい彼の分身に衣服の上から柔らかな唇を当てた。 底知れぬ熱さと、屹立の萌芽が、布地の奥に感じられた。 *** 「ん…」 夕日の差し込む、黄昏時の執務室。 立ったままで白い制服の裂け目から突出したそれの裏筋を、先端を、神通は床に座り込み、柔らかな舌で丹念に舐め上げる。 「もう…こんなに……」 上目遣いに提督の表情を確認しつつ、愛おしげに両手の指先で撫で、形の良い唇がその先端を微かな水音を立てながら吸う。手のひらの感触が、熱い吐息が、性器全体を包み込む。 これまで教えられた通りに手と口とで一心に奉仕し、ときおり逆の手で美しい黒髪を掻きあげる様にすら、提督の牡淫は激しく昂ぶらされる。 綺麗な人だ、と場違いな感想を提督は持った。 「…っ」 やがて。堪え切れない快感の堰が、彼の芯を震わせ―― 「神通…もう………ッ!」 「……!」 座して奉仕する女の頭を抑え、柔らかく熱いその唇中に無意識に自身のそれを深く深く突き込んだ瞬間、堪えられない快楽がどくどくと、大量に解き放たれた。 こくり、と従順な白い喉が鳴った。 「………立てるかい。…急にごめん、なんだか最近は、また我侭ばかり言ってるかもね」 「いいえ、提督のお役に立てたのなら…」 放心したように立ち上がった神通に、で、君のほうはどうなんだい、と提督が問う。 「……………身体が、……火照ってきてしまいました…」 そう。その顔が、堪らないんだ。 にやりと笑いながら提督は彼女をひょいと抱え上げると、あわあわと混乱する彼女の声を無視し、夜戦に突入すべく共に私室の扉の奥へと消えた。 *** 「そこ!転進が遅い!沈みたいんですかッ!?」 改二の艤装に身を包んだ彼女が、駆逐艦を指揮する声が窓の外から聞こえる。 『華の二水戦』と呼ばれた精鋭集団のリーダーの姿が、眼下にあった。 「突撃します!私に続いて!」 ひた走る彼女の後を、ふらふらと駆逐艦達が続く。 …鬼教官。 呟いて、苦笑する。 強くなろう。僕も、君も、鎮守府も。もっと、もっと。そして―― 「さぁ、砲雷撃戦…開始します!」 もう二度と平手は喰らわないように注意しないとな、と頬を撫でながら提督は再び心に誓った。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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清々しい朝。開かれた窓の外に見える鎮守府近海は穏やかで、カモメの声さえ届く。 淹れたてのコーヒーを嗜みながら、僕が青葉が刷ったばかりの朝刊を読んでいると―― 「提督! おはよう!」 ノックも無しに元気良く扉を開いて、我が艦隊の秘書艦娘、最上が現れた。 「おっこれは……う~ん、いい匂い! 提督、何それコーヒー?」 部屋に入って敬礼も早々、最上は鼻をくんくん利かせて、僕のカップを指差す。 「あぁ、そうだ。最上も飲むか」 「えー、いや、まあ……僕はいいや。匂いだけで」 「苦くて嫌いなんだよな?」 「そんなコト無いよぉ。お風呂上りにいつも飲んでるし」 最上は腰に手を当てて、右手をくいっと口元で傾けて見せた。 「コーヒー牛乳だろそれは」 「絶対にコーヒー牛乳のが美味しいもんねー。間宮さんのは絶品なんだよ?」 「いつまでもお子様だと、駆逐艦娘どもにバカにされるぞ」 「なっ、余計なお世話だよ!」 最上は口を尖らせて、べぇっと小さく舌を出した。 正直このお友達感覚……もう少しどうにかならないものかと思ってはいる。 僕は黙ってコーヒーをもう一口。 「……で、それで? 提督、今日はどうするの?」 その一瞬で、最上はもう気持ちを切り替えていた。 これから始まる一日に思いを馳せ、にっと歯を見せて笑う。 この切り替えの早さや、さばけた雰囲気が、僕が彼女を秘書艦娘に指名している理由だ。 「えっと、第4艦隊はまず補給だね。そうしたら、深海棲艦の動きが活発な方面で偵察かな」 作戦の立案補助能力や、部隊への配慮も上々だし、 「この前ドックで衝突しかけちゃってさあ……あそこの角、ミラーがいるよ。まったく」 そそっかしい彼女が時折挟む他愛のない会話も、僕にとっては重要な情報源だった。 ――でも。僕は一つだけ気にしていることがある。 「う~ん、そうだな……」 僕は資料やらを情報やらを最上から手渡されると、いつもあれやこれやと考えを巡らせる。、 当然その間、最上は手持ち無沙汰だ。はじめこそ、まっすぐに立って僕の様子を伺っているが、 しばらくすると癖毛をいじったり、つま先をとんとん鳴らしたり、暇そうにし始める。 「ソファ、座ってていいぞ」 「ん? いや、別にいいや」 「じゃ楽にしてろ。まだかかる」 「イエッサ~」 最上も邪魔する素振りは見せない。自分がこの鎮守府で戦闘に参加する以上、この僕の決定が いかに重要なことか、彼女なりに理解しているのだろう。 そうして最上はいつも決まって窓の方へと向かうと、窓枠に手を突いて外を眺め始める。 開け放たれた窓から吹き込む涼しい朝の風が、栗色の髪をさあっと揺らす。 言動も服装も髪型も、どこか少年らしい最上だったが、こうやって窓の外を眺めている横顔に、 僕は最上の中に確実に存在する『少女』を意識せずにはいられない。 きっと結ばれた口元や長いまつ毛、キュロットからすっと伸びる健康そうな脚。 窓の外のに広がる果てない海を見つめるくりっとした瞳も、艦娘らしい不思議な憂いを湛えている。 ――でもね? ぐい、ぐいぐいっ。 しばらくすると最上は、決まって爪先立ちになって、窓の縁に押し付け始めるんです。 えぇ、その、キュロットの。はい。正面の。 ……股の辺りを。 最上は、別にそれをしているからと言ってヘンな声を出したりするわけじゃない。 表情一つ変わらない。ただ一心に窓の外へと気持ちを傾けているはずだ。なのに―― ぎゅっ。ぎゅ。 最上は質素な窓の木枠に対し、股の辺りで全体重を預けている。 キュロットに隠された小さなお尻が時折、何かを探るように左右に揺れる。 ――絶対無意識なんだよな、アレ。 僕は別にそれに対して邪心を抱いたりしない。まだ子供の、少女になりかけの艦娘がひとり、 何だか良く分からないうちに何だかイイキモチー? になっているだけなわけで。 僕は結局今日も注意することも出来ないまま作戦をまとめると、ふうっとため息をついた。 それが僕の合図だ。 最上は待ってましたとばかりにこちらをくるっと振り向き、とととっと笑顔で僕の方に 近づいてきて、執務机の角に勢い良く両手を突き―― あろうことかですよ、はい。そうなんです。 ぎゅーっ。 そのままの勢いで、執務机の角っこに、ぎゅぎゅぎゅ~っと押し付けるんです。 ええ、キュロットの。はい。正面の。 ……オンナノコの、大事な辺りを。 「提督ッ、決まった?」 そしてそのまま、押し付けた股間を支点にして、やじろべえみたいにバランスを取って 僕に身を乗り出してくるんです。 「あ、あぁ……。だいたい最上が考えてくれた通りだ、まずは――」 聞く体勢はどうあれ、最上は真面目に僕の話に耳を傾ける。指示を二度聞き返すこともない。 最上はしっかり、秘書艦娘としての責務を果たしているのだ。 股間をぐりぐりと机の角っこに押し付けて、小さくお尻を揺らしながら。 「それじゃ提督、僕は先に作戦室で準備してるから。5分後に集合だよ?」 一通りの説明を聞くと、最上は資料を脇に挟んで足早にドアへと向かう。 そしてくるっとコマのようにこちらを振り向き、小さくウィンクして敬礼した。 「今日も僕、頑張るからね! 提督も頑張ろっ?」 ドアが閉じられて、残されたのは僕一人。 最上は部屋に長居するわけでもなく、僕に特別懐いているでもなく……。 ちょうど良い距離感を保って、僕と最上は互いの任務を果たしていると思う。 僕は冷めたコーヒーを飲み干して立ち上がり、さっきまで最上が身を預けていた執務机の角を撫でた。 まだ、ぬくもりが残っているような気がして、小さな罪悪感と虚しさ感じたが、それもそこまでだ。 ――そのうち、やらなくなるだろな。 僕はちょっとだけ笑うと帽子を被り直し、最上たちの待つ作戦室へと向かった。 =============== ~鎮守府 ヒトフタゴーマル~ 昼食を終え、青空の中天から、陽がまっすぐに降り注ぐ時間。 誰かが聞いているのだろう。古く歪んだクラシックのレコードが、穏やかな潮風に乗って聞こえてくる。 戦時、それも軍施設の中とは思えない、ゆったりまったりした鎮守府の昼下がり。 その柔らかな空気は、提督の執務室も例外ではない。 夏が過ぎ、真昼でも過ごしやすいこの季節だ。扇風機もエアコンも、とうにお役御免。 執務机の灰皿から立ち上る紫煙も、天女の羽衣のようにすぅっ……と天井へと消えていく。 誰にも邪魔されることの無い、何にも変えがたい至福の時間だが―― バーン! 何の遠慮も無しに、木製のドアが豪快な音を立てて開け放たれた。 「提督ー! 起床おぉーッ!」 暢気な空気をブチ破る、秘書艦娘・最上の大声が部屋中に響き渡る。しかし、 「んっがー んっごー」 提督は帽子で顔を隠し、机に脚を投げ出して高いびきだ。 「起床ー! 起床きしょうキッショー! ぱっぱらっぱらっぱらっぱぱっぱらー♪」 だが最上も負けていない。両手でメガホンを作り、起床ラッパの口真似をしながら提督の すぐ耳元で騒ぎ散らす。 「はがぁ~……許せ、あとゴフン……」 ようやく気づいたのだろうが、帽子の下から聞こえる声は夢うつつだ。 「何ノンキな事言ってるんだい提督! あと10分でヒトサンマルマルだぞ!?」 「ほわあぁぁ~……むにむに……」 「今日はこの後、お偉いさん達が会議に来るって言ってたじゃないか!」 「ん~? あと10分……あるんらろ……? いいじゃん……ぐぅ……」 「駄ぁ目っ!」 最上は提督の顔を覆っていた帽子をかっぱらうと、自分の頭の上にひょいと載せた。 白昼の眩しさに晒され、提督の眉間がぎゅーっと寄せられる。しかしそれでも起きない。 「ったくー、いーっつもこれなんだから……」 文句を垂れながらも、最上は少しだけ微笑む。 そして、食堂から持ってきていたキンキンに冷えたお絞りを提督の顔の上に広げた。 「ほらほら! シャキっとしてよ提督!」 そして乱暴な勢いで、ぐわしぐわしと脂っぽい顔をすっかりふき取ってやる。 「んが……ふわ~あぁ」 ここまでやって、ようやく提督の目覚めは半分。なおも寝ぼけ眼な状態である。 「提督、机から脚下ろして」 「あー」 「こっち向けて」 「んー」 寝ぼけている提督は、秘書艦娘――最上の言いなりだ。 背もたれつきの立派な回転椅子をくるんと半回転させ、ブーツを最上のほうに向ける。 「身支度ぐらい、自分で出来るようになってよ……ったく」 最上は腕をまくると、キュロットのポケットから布きれと靴墨、それからブラシを取り出し、 ブーツをピカピカに磨き上げる。 執務室の壁掛けの時計は、ヒトフタゴーサン。 ――おっ、いいタイムじゃない? 僕。 「はい、立ってー?」 「むー」 「襟正して、ボタン掛けてー?」 「はー」 「タバコいっぷくー?」 「すぱー」 「コーヒーひとくちー?」 「ごくー」 ここでようやく、最上は腕組みをして、目の前にもっそり立っている我らが提督の姿を つま先から頭のてっぺんまで確認する。 「靴よし、服よし、顔……まあよし」 最上はふんっと鼻息を荒くして笑うと、背伸びして提督の頭に帽子を返した。 「よし! 提督、完成! 至急、会議室に出撃されたし!」 「ふわあ~あぁ、ありがと、もがみん……『大将』……」 あくびまじりの提督は最上の顔を半開きの目でちらっと見て、気の抜けた敬礼をする。 「『大将』って何さ。僕は重巡洋艦、も・が・み、だよ!」 意味の分からない二つ名をつけられ、最上はぶすっとしながら敬礼を返す。 「ちゃんと名前を呼んでよね。僕まで笑われるだろ?」 「はいはい……んじゃ、後よろしくな……」 おぼつかない足取りで廊下を歩いていく提督の後姿に向かって、最上は火打石を振るう。 「提督、ちゃんと話し合ってよね? 途中で寝たりしたら、僕怒っちゃうぞ?」 提督はふらふらしながら背中越しに右手を振ると、階段の方へと消えていった。 「相っ変わらず世話が焼けるんだから、ホントに……」 自分以外誰もいなくなった執務室前の廊下で、最上はふうっとため息をつく。 そうは言いつつも、最上は提督の秘書という役割が気に入っていた。普段、特に寝起きは あんな感じだが、提督はああ見えて一応は提督になるだけの軍人である。 最上は執務室に戻り、建屋の正面玄関が見える窓から身を乗り出し、下を覗き込む。 ――あ、来た。 見れば、黒塗りの高級車が既に停車しており、そこから数人の将校がぞろぞろと敷地内に 歩いてきたところだった。我らが提督も玄関から現れ、先ほどとは別人のような きりっとした足取りと敬礼でもって迎え入れる。 最上は窓辺に押し付けた股の辺りで身体のバランスを取りながら――そうしているのが 何だか最上は好きなのだ――足をぶらぶらさせ、提督の姿が会議室のある建屋に消えるのを見届けた。 ボォン……。 執務室の柱時計が、ぴったりヒトサンマルマルを告げる。 「ふー……」 この執務室に押しかけて、ここまでたったの10分だ。 しかし、何より大きな仕事をやり遂げたような不思議な充足感が、最上の心を満たす。 自分達のリーダーのいちばん近くで仕事が出来る光栄さもあるし、鎮守府全体と海までを 一望できるこの窓を独り占めできるのも、最上は好きだった。 今頃は、駆逐艦娘で賑やかな第四艦隊が製油所地帯海域の偵察を終え、この穏やかな鎮守府へ 針路を取っている頃だろう。 ――今日も、明日も……平和が続くと良いけどな。 それだと艦娘の自分は仕事が無くなってしまうし、事実、到底無理なお話だ。 しかし、だからこそ最上は思うのだ。 雨でも、風でも、毎日こうしてこの風景を見続けられるなら、 提督や仲間の艦娘たちと一緒に鎮守府で過ごしてける日が続くなら、そして―― ――誰一人欠けることなく、少しでも長く、みんなと過ごせたなら良いな。 コン、コン。 「最上ちゃん、最上ちゃん?」 開け放たれたままの執務室のドアが控え目に叩かれ、最上は背中越しに振り向いた。 ドアの陰で、短めの黒髪をサイドに纏めた艦娘が、小さく手を振っている。 「あっ、長良!」 「司令官、会議行った?」 最上は頷きながら、こちらの様子を伺っていた長良を手招きした。 「大丈夫だって。僕しかいないから。コホン……君、入りたまえ」 長良はくすくす笑いながら、執務室のドアをくぐった。 「ウチの司令官、そんなじゃないし……って……? プッ、ククク……!」 最初は最上の真似事で笑っていたであろう長良が、最上の顔を間近で見るや、今度は 口を押さえて噴き出してしまった。 「ん? 長良、どうかしたの?」 「だって……ハハハ! 最上ちゃんの、その顔! ホントに司令官ごっこするつもり?」 「はあ!? 顔……って」 黒のサイドテールを揺らして笑う長良に指摘され、最上は慌てて窓ガラスに自分の顔を映す。 「あーっ!」 最上の鼻の下には、真っ黒なひげが横一文字に描かれていた。 見れば、両手が靴墨で真っ黒だ。 ――もしかして、さっきの『もがみん大将』って……ぐぬぬぬ! 「んもーっ、提督! 気づいてたなんて! 僕、本気で怒ったかんねー!」 悔しさと恥ずかしさがない交ぜになって、最上はぶんぶん拳を振り回した。 「アハハ。でも最上ちゃん、結構似合ってるよ?」 「あーっ、何? 長良までそんなこと言うの?」 「じょ、冗談だよ、冗談!」 思い切り頬を膨らませた最上に、長良もたじたじ、苦笑いで話題を変える。 「そ、それよりさ。午後、時間は大丈夫?」 「そりゃあ、もっちろんさ!」 提督の顔を拭いたばかりのタオルで自分の顔もごしごし拭きながら、最上がぱあっと 笑顔を見せた。 「走り込みでしょ? 行こう行こう! 第四艦隊が帰ってくる前に!」 「よしきたあ!」 長良はぐっとガッツポーズを見せ、こちらもにっこりと笑う。 「あ、でも長良、その前にさ」 「え?」 「ちょーっと掃除、手伝って」 バツ悪そうに最上が指差すその先には、真っ黒な指紋でべっとり汚れた窓枠があった。 ~鎮守府 営舎前 ヒトサンサンマル~ 「さぁーって、今日もコンディション最高! ひとっ走りいきますかあ!」 長良はぎゅっとハチマキを締めなおすと、手足の関節を入念にほぐしていく。 長良は袖の無い紅白のセーラー服に膝上丈の赤袴、それにニーソックスという、いつも通りの 服装のままだ。しかし艤装を解いたその姿は、艦娘たちの中でも一際陸上で運動するのに 適している服装だといえそうだった。ただ一点違うとすれば、腰の後ろにドラム缶を模した 水筒がくくりつけられているということだった。 「気合が入っているねえ、長良。よーし、僕も負けないよ」 ぐいぐいと腰を捻って体操する最上は、エンジ色のセーラー服の上着だけを脱いで、 白のタンクトップとキュロットという軽い出で立ちだ。長良の走りこみに付き合うときは、 いつもこの格好だった。 「ま、航続距離なら僕に軍配が上がるからね?」 「瞬発力だったら、長良の脚にだって分がありますから!」 準備体操をする二人は笑顔だったが、内心は本気だ。 負けず嫌いの艦娘の目線が、照明弾を思わせるほどの火花を散らす。 「がんばれー ふたりともー」 「お昼ごはんのすぐ後だってのに、よくやるよねー」 営舎で休んでいる非番の艦娘たちも、二人の走りには興味しんしんだ。 いつの間にやら、営舎の窓には見慣れた顔が幾つも並んでいた。 計らずも観客を背負った最上は、自分の中のエンジンがごうんと力強く動いたのを感じた。 横に並んだ長良も同じのようだ。その場で小さくぴょんぴょんと跳ねるたび、表情が リラックスという名の深い集中に満ち溢れていく。 「ふたりともー いいー?」 待ち切れなさそうな営舎の二階からの声に、最上と長良は手を振って―― 「よーい どん!」 背中から聞こえたスタートの合図と同時に、二人は秋の爽やかな風となって走り始めた。 「おっ先にぃ!」 先手を打ったのは長良だ。滑るように加速していく背中を見て、最上はにやりとする。 ――どうやらコンディション最高っていうのは、嘘じゃないみたいだね。 こうやって長良と走るようになったのはいつからだろうか。もう良く覚えてはいないが、 最上は長良と何かとウマがあった。提督が居ないときなどは食事を一緒にとることも多いし、 他の艦娘に比べてオンナノコオンナノコしていないところが、最上には何だか安心だった。 それに何より、長良の快活で裏表の無い性格や、朝昼晩と欠かさず走り込みを続ける実直さと 体力を、最上は尊敬していた。 作戦中の素早い動きや、波間を縫って深海棲艦に肉薄する姿は、持ち前の勇敢さと日ごろの 鍛錬による自信の賜物に違いない。 ――僕が提督だったら、長良を秘書にしたいなあ。 そんな事を思いながら、最上も腕を振る力を強め、長良の背中に追いすがり……そして並ぶ。 「いきなりそんなに飛ばして……。大丈夫なのかい?」 「最上ちゃんこそ、長柄の脚に着いてこれる?」 鎮守府の外周を大きく回るランニングコースにも、秋が来ているようだった。夏は吸い込む だけで火傷しそうに暑かった空気も、軽口を叩きながらでも走れるくらいに快適だ。 快晴の空に見上げる太陽も、汗ばむ肌に心地良いぐらいである。 「すっかり良い季節だねえ」 「本当に! コンディションも良いわけだわ~」 ランニング日和というよりも行楽日和という方がしっくりくる、柔らかな昼下がりのせいだろう。 工廠の裏を抜け、鎮守府の港近くの小さな砂浜へと到達する頃には、ふたりのボルテージは すっかり下がっていた。 「それで酷いんだよ、提督ってば。僕の顔見て『もがみん大将』なんて!」 「アハハ。今度寝てるときに、逆襲してみたらいいんじゃない?」 「あっ、いいねえ、それ! いまに見てろよ~、提督~!」 そんなお喋りが弾む、楽しいジョギングになってしまっている。 「それにしても、長良はスタイルがいいよねえ」 併走する長良のしゃきっとした姿勢を見て、最上は思ったことをそのまま口にした。 「そ、そんなことないよ。ふつうだよ」 照れながらも、長良は少し嬉しそうだ。 「謙遜しなくていいって。ランニング以外にも何かしてる?」 「うん、簡単な筋トレかな。でも、やっぱり走り込みが楽しいんだけどね」 ほうほうと、最上は長良の四肢をまじまじと観察する。軽く日焼けした肌の下で、 長良の細いフレームを包むしなやかな筋肉が躍動しているのが良く分かる。 「やだ最上ちゃん、なんだかオジサンぽいよ? 視線が」 気づいた長良が、最上の肩を冗談ぽく肘で小突いた。 「でも良いことばかりじゃないよ。長良、また脚に筋肉ついてきちゃったみたいで」 「いいじゃない、筋肉! 海兵隊みたいなモリモリマッチョマンは困るけど」 「よ、良くないよぉ~」 長良は風に流れる黒髪に滴る汗を掻き分け、はぁっと意味ありげなため息を突いた。 「あんまり鍛えすぎるとボトムヘビーになって航行しづらいし、それに……」 「それに?」 「えぇっと、その……」 珍しかった。いつも歯切れの良い長良が、言葉に詰まって頬をぽりぽりと掻いている。 「どうしたの? 顔、赤いけど」 「そっその、最上ちゃん、あの……これは長良との秘密だよ? 内緒にしてくれる?」 最上は一瞬ぎょっとした。あの長良が、自分に内緒話をしてくるとは思いも寄らなかった。 よっぽど言いづらいことが、この長柄のボディーに隠されているとでも言うのだろうか。 ――うーん、約束事は慎重にすべきだけど…… 「良いよ。黙ってるから」 長良の均整取れた肉体の秘密が分かるかもしれない……という好奇心にあっさり負けて、 最上は二つ返事で小指を立ててみせた。 視線を泳がせていた長良だったが、最上としっかり指切りをして、ようやくこそこそ声で話す。 『その、あの……結構さ。筋肉って、重くてね。長良、最近体重がさ……』 「えーっ、たいじゅう?! なー……」 「やだ――! 最上ちゃん、声おっきいってばぁ――!」 なーんだ、そんなことかあ、という言葉が放たれるよりも早く、長柄の人差し指が最上の唇を ぎゅーっと押さえ込んだ。 『ヒミツだって、言ったばっかりでしょーっ?!』 殆ど口パクで叫ぶと、長良はおでこが当たりそうなくらいに最上に詰め寄った。 体重。その言葉一言だけで、この反応だ。 その先まで口走っていたら、一体今頃どうなっていただろう? ――あ、危なかったなぁー、僕。 作戦中に等しいぐらいに鬼気迫る長良に気圧され、最上の足は、ぴったり止まっていた。 「ご、ごめんごめん。僕が悪かったよ」 両手を合わせてぺこぺこ、最上が平謝りに謝ると、長良は「もうっ」とむくれて、どかっと 砂浜に腰を下ろした。ふたりは、丁度ランニングの半分を終えようというところまで来ていた。 「最上ちゃん、デリカシー無いんだから……」 「で、デリカシー……かい?」 普段殆ど耳にも口にもしない言葉が、しかも長良の口から飛び出して、横に座る最上はたじろいだ。 「そうだよお。最上ちゃん、全然気にしないの?」 「う、うーん……そういえば僕、もうずっと体重計には乗っていないね」 「はぁ~? お幸せですこと!」 呆れた表情の長良は、腰から水筒を外して飲むと、最上の頬にぴたっとくっつける。 「ひゃっ! ありがと!」 水筒を傾けると、キンと冷えた甘露が溢れ出し、レモンの香りと共に最上の喉を潤していく。 「ふーっ、生き返るぅ。長良のハチミツレモンは、本当に美味しいね!」 「間宮さん直伝だからね」 ひとくちふたくち味わって、もう一口飲んで、ようやく水筒を返す。 「でも何だろ、今日はいつもよりハチミツが薄目?」 「はぁ……ホントに最上ちゃん、何も気にしてないんだから……」 長柄のジトっとした非難めいた視線が、最上の身体の色んなところを突き刺す。 「長良ね、実は前から気になってたんだけど」 「え、僕?」 「そう、その……」 小さなためらいの後、長良は照れくさそうな早口で呟いた。 「最上ちゃん、いつもノーブラなの?」 「ノーブラ……ああ、うん。そうさ?」 長良の茶色い瞳が向かう先に気づいて、最上は事も無げに答えた。 タンクトップの襟元をぱたぱたしながら、そういえば……と思い出す。 「僕、ブラジャーって着けたことないなー」 「えぇっ、そうなの? 一回も?」 「一回も。だって持ってないし」 「まさか、一枚も?」 「一枚も」 ざぁ……んと、静かに寄せては返す波の音だけが、二人の間をすり抜けた。 長良はまるでその音を隠れ蓑にするかのように、座ったまま、そおっと少しだけ背伸びする。 そして、最上のはだけた襟元に視線を落とし―― 「あ、そ、そっか……そうなんだ。は、ハハハ……すみません」 ぎこちなく笑いながら、もじもじと膝を抱えて小さな三角座りになった。 「なんだい? 長良ってば、変なの!」 「だ、だから……すみません、ってば……」 「それじゃあ、そういう長良はブラジャーしてるっていうのかい?」 最上がたずねると、長良はもじもじしながら鎖骨の辺りをさすってみせる。 「長良は、してるよ? スポブラだけど」 「すぽ……ぶら?」 まったく聞いたことの無い単語だったが、心当たりにポンと最上が手を打つ。 「ああ、飛行機についてるアレ?」 「最上ちゃん、それスポイラー」 「違うの?」 「違う! ぜんっぜん違う!」 長良は「艦娘にスポイラー要らないでしょうが!」と不満そうに最上に詰め寄ると、 きょろきょろと周囲を伺い、意を決したようにセーラー服の襟元を引き下げ、中を広げて見せた。 「スポブラ! スポーツブラジャーのこと!」 最上は、長良の制服の暗がりの中に目を凝らす。石鹸とレモンの混じった香りの向こうに、 長良の胸をぴったりと覆っている桃色の下着が見えた。 「こ、これがスポブラだよ。分かったでしょっ!」 これ以上たまらないという感じで、長良はまたすぐに膝を抱えてしまった。 「ええっと……」 最上は思い出しながら、自分の胸の辺りでスカスカと手を動かし、ジェスチャーする。 「こう……肩紐とカップじゃなくて、何だろ。僕のよりもピッタリした、胸だけ覆った タンクトップ、みたいな……?」 「そう、そう!」 「そんなピタピタで、息苦しくないの?」 「ぜんっぜん! むしろ長良は動きやすいよ」 「ふーん?」 ――ホントかなあ? 生返事しつつ、最上はどうもピンとこなかった。 ――動きやすいって、胸が揺れないってことだよね? 一応ブラジャーだし。 今は外洋の任務にあたって鎮守府を離れている戦艦や、正規空母達なら話も分かる。 中にはドックの風呂に浮くような胸の持ち主さえいるのだ。あれを野放しにしておいたら、 両胸に水風船をぶら下げて動き回るような感覚になるのだろう。ブラジャーの必要性も頷ける。 しかし、長良の胸元はお世辞にも―― 「いやぁ、分かるよ? でもさ……っと、おおっと」 最上は慌てて自分の口を両手で押さえ、またしても飛び出しそうになった言葉を飲み込んだ。 「で、デリカシーデリカシー」 「も~が~み~ちゃ~ん~?」 急に周囲が暗くなり、最上ははっと頭上を仰ぎ――腰を抜かした。 そこには、歯をぎりぎり鳴らしながら涙目で最上を見下ろす、長柄の姿があった。 日輪を背負うその姿は、まさに護国の戦姫……いや大魔神である。 「わあっ、ななな、何だよ長良! 僕は何も言っていないだろッ!?」 「目は口ほどにモノを言うって言葉、知ってるよね……?」 長良の両手が、猛禽の爪のごとくワシワシと蠢いた。 今ならリンゴだろうと弾丸だろうと、豆腐のように握りつぶしそうだ。 「もう二度とブラなんかいらないように、長良が近代化改修してあげよっか……?」 その手が向かう先を察し、最上の背筋を冷たい汗が滴り落ちる。 「やっ、やめてよ長良! 早まるなって! きっとまだまだ大きくなるさ! ホントだよ!」 ブチィンと、長柄のハチマキが音を立てて千切れた。 「うううううるさーい! もう遅い遅い遅いッ! そんな言い訳、ぜんっぜん遅――」 パッパラッパラッパラッパパッパラー! 長良が最上に飛び掛らんとしようとした、まさにその時。 秋晴れの鎮守府に、スピーカーを通して乾いたラッパの音が轟いた。 その瞬間だった。 ばし、ばしばしばしいいいっ! 背中に、赤く鋭い雷のような衝動がほとばしり、最上は思わず「ひうっ」と声を上げた。 尻餅をついたままの最上をよそに、長良もその場に慄然と立ち尽くし、鎮守府の高台にある スピーカーを食い入るように見つめている。 ラッパの音がこだまするたびに、最上の頭の中で、胸の奥で、幾つものギアが次々と 噛み合い、海原を切り裂く鋼鉄の塊が動き出す轟音が迫る。きっと長良も同じだろう。 「「非常呼集……!」」 ランニングも。 ハチミツレモンも。 デリカシーも。 ブラジャーも。 そして、ふたりのわだかまりさえも。 艦娘たちのひとときの『非日常』は、ラッパの音がもたらす『日常』によって、既に遠く、 遥か夢の向こうへと追いやられていた。 そしてその代わりに、自分の中の『軍艦』が姿を現し、全身に熱い血を送り込んでゆく。 これが自分の本性なのかどうなのか、最上には分からない。 しかし、最上は感じるのだ。 ビーズを蒔いたようにきらめく水平線の彼方に迫る、倒すべき存在の陰、深海棲艦の姿を。 最上は長良に差し伸べられた手を取って立ち上がり、お互い目配せで「うん」と頷くと、 ここまで走ったときの何倍もの猛ダッシュで、営舎への道を引き返した。 背中を押し、大地を蹴る足を動かす、内なる衝動が命じるままに。 そう、心震わせる、あの『抜錨』の瞬間を求めて――。 =えんど=
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前回の話 「吹雪に魚雷の扱い方を教えてやれ」 重雷装艦となって間もない私たちが、提督に呼び出された。 早速重雷装艦の戦力が理解される時が来たかと思ったが、提督は私のそんな期待を切り捨てる命令を吐いた。 なんでそんな雑用のような任務をしなければいけないのか。 私はこの男に聞こえないよう小さく舌打ちした。 「うーん……」 北上さんが唸る。 こんなかったるい任務、断っちゃって。お願いよ。 心の中でそう念じたのが通じたのか、北上さんは横目で私に目配せする。 通じた? 通じたの? 通じたのよね!? しかし都合の悪いことに、北上さんが二の次を告げる前にこの男は動きやがったのだ。 「教えてやってくれ」 どういうわけか言葉遣いは少し腰の低いものに変わったが、私は一瞬にして憤りを感じた。 なんとその男は北上さんを一心に見つめ、あろうことか北上さんの両手を掴んで懇願してきたのだ。 私にとって存在そのものが気に食わないこの男が、私にとって大切な存在である北上さんに触れる。 そんな光景を見て私が我慢できるはずがなかった。 「なっ、あぁ貴方! 何してけつかる!! です!」 「は?」 思わず素の口調でものを言ってしまった。 この意識は別に上官である提督に対して無礼な態度を、ということではなく、 この男に素で接したくない、という精神的装甲に所以しての意識である。 何を言っているのか分からないことから察するに、この男の生まれは私と同じところではないらしい。 それだけは安心できた。 生まれが同じだと分かったらそれだけで反吐が出る自信がある。 提督は私へ首を回転させ、その顔を唖然とさせているらしい。顔は眉一つ動いていないけど。 ああ、その首が二度と回らないようにしてあげたいわ。 「い、いえ、なんでもありません」 「……嫌だってさ」 北上さんが私の言いたいことを言ってくれた。 そうよ。それでいいのよ。 任務受託を拒否してこの執務室を出て終わり。 そういう流れを期待したが、問屋はそうは卸さないらしい。 「なら大井が教えてやれ」 「……はあ?」 あらやだ。また素で返してしまったわ。 私の顔が、眉間が歪んでいることも自覚できる。 口調がよく崩れる奴だな、などと実は何も考えていないようにのんきに提督が呟いた。 「北上に教えさせるのが嫌ならお前がやれ。お前等なら他の艦より少しは分かるだろ」 「あら提督。この文書、出撃命令が書かれているではないですか。私たちなら簡単に敵を殲滅させられますよ」 艦種の名前が"重雷装巡洋艦"なんてものだから、それは考えなくとも分かっているのだろう。 魚雷を扱うなら私たちの右に出る者はいないと思われること自体は悪くない。 それだけの戦闘力があると分かっているなら使い方を間違えるな。私たちを暇にさせるな。 私は暗にそういう訴えを込めてちょうど執務机に置かれていた一枚の紙を掲げる。 「その任務は他の艦に遂行させる。今のお前等の任務は吹雪への講義であって出撃ではない」 「……なんですって?」 ああ、今魚雷が手元にあったら即座に振りかぶっていると思うわ。 私たちは戦闘としては使い物にならないと? 馬鹿にするな。 どちらかと言えば旧式艦に分類される私たちでもいい戦力を持っているのに、 もはや"特型駆逐艦"とかいう たすきが藻屑塗れになっているあの役立たずの詐欺艦は、教えたって無駄よ。 しかし口には出さない。 私が抑えて黙っているのをいいことに、この男は私を睨むかのように真顔で見つめ調子に乗り始める。 「大井は教える事自体が嫌だと言うなら、お前のこれからの処遇を少し厳しく検討せねばならなくなるのだがな」 こんな無能な男の下に配備されるとは、運命とはとても残酷なものだ。 艦隊を組んでも鎮守府周辺海域を徘徊させる事しかできないこの男も "提督"という たすきが煤塗れになっているくせになんて生意気な。 はっきりと戦果を示せないのに大口を叩くだけの上官は最悪だ。 黒い感情に任せて提督へ目を尖らせる。 しかし提督は張り合っているのかいないのか真顔のまま。 鳥のさえずりさえ入ってこない険悪な睨めっこが続く。 それを中断させたのは傍らの北上さんだった。 「……あーもうやめやめ! 大井っちは少し協力しないと駄目だよ。吹雪にはあたしが教えて……」 「私がやります」 即座に私は北上さんの言葉を遮るように被せた。 ごめんなさい北上さん。でもここは私に任せて。 不本意ながら気に食わないこの男に協力する形になってしまうが、背に腹は変えられない。 提督の言う"処遇"がどういったものか鋭く推測はできないけど、 将来的にこの男が私を残して北上さんだけ艦隊に組み込むような事でもあれば私は発狂する。 「北上さんの手を煩わせるくらいなら、私がやります。……提督のさっきの言葉、覚えておきますからね? 下手な指揮で負けておめおめと帰投させるような事があれば、ただじゃおきませんから」 「そうかい。ではそんな事になったら私は暫く雲隠れしておくさ。吹雪の事は頼んだぞ」 渋々ながら任務を受託すると分かったとたん、この男は淡々と踵を返して椅子へ戻っていった。 この男は私の攻撃を回避することが得意らしい。 ああ腹立たしい。気に食わない。 この男がいる部屋には長居したくないので、北上さんの腕を掴んで礼もせず執務室を後にする。 「……行きましょう、北上さん」 「大井っち、痛いってば」 「はあ、はあ……、あ、ありがとうございました……」 「明日もやりますからね」 海上で、満身創痍で息絶え絶えながら頭を下げた吹雪ちゃんに、私は岸壁からそう告げる。 満身創痍といっても、敵が出たとか私たちが相手になって戦闘演習を行ったとかではない。 自分で何度も派手に転覆したり的に衝突しただけだ。 話を聞いただけでも出撃どころか遠征さえ縁がなさそうな艦だと思ってはいたけど。 ――やる気はあるし勉強もしているみたいだけど実技では……。特型とは言うけど大丈夫かしら―― 「なんだかんだ言って、大井っち途中から熱入ってたよね~」 私は横から飛来した北上さんの言葉で我に返った。 私は無意識に顎から当てていた手を離し、弁明に努める。 「えっ!? だ、だって、提督がどうしてもやれって言うから!」 「明日もやれとは言ってなかったと思うけどね」 「この先一緒に出撃して足を引っ張られるような事にでもなったら困るのよ! 全く!」 …………………… ………… …… 「という具合にさ~」 「もう! やめてよ北上さん!」 あの頃とは違い、今や執務室は畳張りとなった。 私は左舷で炬燵の中で胡坐を掻く北上さんを制止する。 恥ずかしいからそんな昔の話は持ち出さないでほしいと訴えかけるばかりだ。 終始話を聞く事に徹していた対面の提督は私へ疑問を投げかける。 「一つ聞きたいのだが、あの時の"何してけつかる"とはどういう意味だ?」 「近畿の方言で、"何してくれてんの"という罵倒です」 そう説明したとたん、提督は顔を歪ませた。 あの頃から見ればこの人は驚くほど感情を露わにするようになった。 嬉しくないといえばそれは嘘になるのだけど、今ばかりはあまりいい気持ちではない。 私は目を細めて問いただす。 「……ニヤニヤしてどうしたんですか、気持ち悪いですよ」 「だそうだ、北上よ」 そこで北上さんに振る意味が分からない。 即座にそちらを見やると、北上さんも提督と同じように顔を歪ませていた。 ……何これ。私は見世物? 北上さんは俯いて暗い顔になってしまった。これ、私のせい? 「あたし気持ち悪いのか~。大井っちに嫌われちゃったな~」 「えっ? あっ、気持ち悪くないです! 嫌ってないです!」 ニヤニヤする北上さんも素敵です! 嫌う理由になりません! 嫌う可能性零です! 私の言葉で安心したのか北上さんは調子を戻す。 一つ安堵。したがここでも問屋は卸さないようだった。 「あちゃあ。提督の事は嫌いになっちゃったのか~」 「……そうか……。大井……」 ちょっと北上さん! 提督に自信喪失を移すのやめてください! 面倒臭いじゃないですか! 提督もいい年してそう軍帽が落ちるくらいに背中を丸めて俯くの、みっともないと思いませんか! 「"提督も愛してます"っていつも言ってるでしょう!」 「感情が篭ってないのだが」 「こっ、こういうのはむやみやたらに言うと価値が下がるんです!!」 激しく突っ込み役に回るばかり、私は言葉が矛盾してしまったかもしれない。 私は昂るあまり炬燵の天板に両手を突いて抗議していた。 やだ。少し顔が熱くなってきちゃった……。 炬燵か隅のダルマストーブ、少し焚き過ぎじゃないかしら……。 私が悶々としていると、急に北上さんは吹き出した。 「やっぱりさ。大井っちはからかうと面白いよね」 「分かっているじゃないか」 からかっていたの!? そして今までの話を私は全て真に受けていたと? 完全に見世物になってしまった。もう嫌だ。数分前の私を魚雷で殴って気絶させてやりたい。 この二人、こんなに意地悪だったかなあ……。 あの頃からは想像つかないが、この二人は意外と相性がいい。 改めて意気投合したらしい提督と北上さんは自然と同時に強く握手を交わした。 私、置物にされていないかしら。いや、見世物だったわね。 それから何故か提督と北上さんから同時に視線を向けられる。 何ですか。その、私が不調に見えるかのような顔は。 「……おや、もう言わないのかな? "何してけつかる!!"」 「"何してけつかる!!"」 「やめてください!!」 好き勝手に振舞う提督と、それに便乗する北上さんを制止する任務を、 やはり不本意ながら遂行させる流れになってしまった。 この二人は、あの頃の私の事を回顧しているんだろう。 でも過去は過去で、今は今。 この人の存在そのものとか、提督が北上さんに触れることが気に食わないとか、 私はそういった思考回路をこの人に改装されてしまった。不本意ではなく本意で。 だから、今の私がこの光景を見て黒い感情を生む事はない。 北上さんだけでなく、提督も大切な人だから。 でも、私で遊ぶのはまた別の話ですからね? 私は引き続きこの二人を制止する任務に取り掛かった。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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仕事が立て込んでいる時の為に執務室には布団と枕を一式用意しているが、もちろん私専用のプライベートルームは存在している。別の基地に勤める友人の司令官は仕事で使う執務室のすぐ隣に個室を用意していると聞いたが、私は仕事とオフの線引きを明確にしないと気がすまない性分だった。執務室の隣にプライベートルームを置いてしまうとどうしても仕事とオフの切替がやりにくい。軍という組織の仕組み上、基地の敷地外でそういった場所を用意しても容易に帰ることは出来ないので、敷地内で極力執務室から遠い場所にプライベートルームを作った。その部屋には軍事関係の物は軍服以外は一切置いていない。基地内外の移動で軍服の着用を義務付けられていなかったら軍服さえ執務室に残して置きたかった。物でさえ仕事に関わる物はプライベートルームからは遠ざけたかったのだから、仕事で関わっている艦娘たちをそこへ招き入れることも一度もしたことがなかった。私は彼女たちのことは誰一人嫌っていない。むしろ信用しているし、有り難いことに彼女たちは私のことを信頼していた。しかし私にとってみれば彼女たちは仕事のパートナーであって、それ以上でもそれ以下でもない。艦娘は今世界中で起こっている化け物との戦争で必要な戦力だ。彼女たちがいなければ我々人間は既に深海から生まれた化け物に侵略され最悪絶滅していたかもしれない。その点に関しては私は艦娘に感謝をしているし好意を抱いている。だがその気持ちに恋愛の類は一切ないのだ。この基地の中で男は私の他にもいたが、艦娘と対等に渡り合えているのは私だけであった。己の司令官としての手腕もそれなりの功績をおさめているので艦娘たちからの信頼も厚い。そうなれば自然とその信頼を恋愛感情の一種として捉える艦娘も出て来る。艦娘はその凄まじい戦闘力を持ちながらも、感性は普通の女性そのものだ。そして男と女がいる環境で愛だの恋だの浮いた話が出てこないはずがない。私に積極的にアピールする艦娘も何人かいたが、私はどうしてもそういった感情を抱く気にはなれなかった。上手く誤魔化したり流したりして彼女たちのプライドを傷つけないように接するので精一杯だった。艦娘は美しく、可憐で、いじらしく、可愛らしい存在だ。なんとも魅力的な外見である。それでも私は艦娘を一個人として見れなかった。艦娘が私を一人の人間として接しても、私は彼女たちを仕事の一つにしか見ていなかった。だから純粋に私に好意を抱く艦娘には申し訳なさを感じていた。 そんな私の徹底した拘りの隙をついて、数ヶ月前から数十冊のスケッチブックが部屋の本棚に置かれるようになった。表紙の色は何色か被っていたが、黒色だけは一冊のみだ。黒のスケッチブックだけは白紙のページが半分以上残っていたが、他の色のスケッチブックには我が基地にいるほとんどすべての艦娘とスタッフ、そして海域に蔓延る深海棲艦がページいっぱいに描かれていた。スケッチブックに描かれた者たちは今にも動き出しそうな程生き生きとしていた。特に最近完成した瑞鶴の力強さには見ているこちらも武者震いをしてしまう。久々の出撃に赴く瑞鶴の姿を描いたものだ。雲一つない晴れ渡った空の日、私の部屋の窓の傍で椅子に座り、スケッチブックは窓の縁を背に膝の上に立て、目は港にいる第一艦隊と鉛筆の黒に彩られていく白の空間を交互に見ながら、描いていたのだ。私も窓から港を見たが、誰かが港にいることは分かってもそれが誰かは見分けはつかない。いくら視力に優れた人間でも私の部屋から港にいるもの全員を判別することなど、裸眼では不可能だ。しかし彼女は違った。私の部屋から港までの距離なら顔の表情まで分かると楽しそうに言っていた。演習場で厳つい顔をしている私の姿も分かるとも。自分の顔など意識をしたことはないが、そう言われた時は少し気恥ずかしかった。その翌日は演習場で艦娘たちの訓練を指示していた時に彼女に見られていることを何となく意識してしまい妙な表情をしてしまったのだろう、その日の業務を終えて部屋に帰った時に彼女にそのことでからかわれた。しばらくしたらその状況も慣れて演習場でも普段通りに戻れた。彼女はつまらないなぁ、と残念そうに呟き、私は苦笑した。 彼女はいつも私の部屋にいた。私が帰る時は必ず窓の傍にスケッチブックを抱えながら座っていた。私を見るとおかえり、と明るく出迎えてくれた。私は誰も自分の部屋に招き入れたくなかった。それが艦娘なら尚更だ。しかし彼女だけは違った。けれども追い出す気にはなれなかった。それに部屋に彼女がいると不愉快などころか、居心地の良さを感じていた。私はきっと彼女に艦娘に抱くモノとは違う好意を感じていたのだ。しかし、私には分かっていた。それは純粋な好意ではなく、ただの―――――― 「提督!朝だよ朝朝~!起きて~!」 グイグイと体を揺さぶられ、目を開けると茶目っ気のある笑い顔が私を見ていた。半身をゆっくりと起こして瞼をこすり、隣に目をやった。 「おはよう提督!」 「……おはよう、秋雲」 視界にパジャマ姿の秋雲が映っていた。まだ眠気眼の私の頬を秋雲はペチペチと軽く叩く。 「だーいじょうぶー?昨日はちょっと飲みすぎたんじゃないのぉ~?」 昨晩は月に一度の軍士官と議会の集まりで酒を飲んだ。酒は弱い方ではないが、少し飲みすぎたのかもしれない。一晩寝ても酔いの気分がまだ残っていた。私は掛け布団を横に除けて立ち上がった。首にかけていた二つの鍵のペンダントが小さな金属音をたてた。 「これぐらいどうってことはない。午後には楽になる」 若干ふらついた足取りで洗面所へと向かう。蛇口を捻って水を出し顔を洗った。何度か水を顔にこすりつけてから傍にかけていた白いタオルで顔を拭いた。吹き終わるとタオルを元に戻し後ろを振り返ると、秋雲が私と彼女の布団二式を畳み終えたところだった。朝食の準備を始めようと思い台所へ向かおうとしたが、ちゃぶ台には既に食事が用意されていた。 「秋雲さんのスペシャル朝食だよ~」 したり顔で秋雲は言った。 「二日酔いの提督のために作ってあげたんだから、味わって食べてよぉ~?」 いつもなら私が朝食を作っているが、秋雲が気を遣ってくれたのだろう。その行為が嬉しくて自然と顔が綻んだ。 「ありがとう秋雲」 私と秋雲はちゃぶ台の前に座った。台には箸、白米、目玉焼き、味噌汁、焼き魚が並んでいた。秋雲の前にも同じものが置かれている。私が手を合わせると秋雲も手を合わせた。 「いただきます」 箸を手に取りまずは白米を一口食べる。出来立ての米の歯ごたえとほのかな良い香りに噛みながら涎が沸き出た。次に味噌汁の椀を持ち上げて端を唇につけ傾けた。味噌の香りと共に味が口一杯に広がる。ダシの煮干が良いアクセントになっていた。 「どうどう?おいしい?」 秋雲が興味深々に聞いてきた。私は椀を口から離す。 「あぁ、おいしい。お前も料理は出来るんだな」 私の褒め言葉に秋雲はフフンっと自慢げに腕を組んだ。 「秋雲さんは絵だけが取り得じゃないのさぁ~まっ 原稿で忙しい時はカップ麺とか簡単なものですますんだけど」 「そうか」 秋雲の話を聞きながら私は箸を進めた。秋雲は食べながらあれやこれやと話を始める。原稿がどうの、絵がどうの、料理がどうの。私はたまに相槌を打ったり口を挟んだりするが、基本的に秋雲の話に耳を傾けて静かにしていた。ここは私と秋雲の空間。この部屋で秋雲と過ごす時間が今では日常の一部と化し、私はこの時間を何よりも大事にしたい気持ちが強くなっていた。 食事を終えると二人でごちそうさまをした。秋雲は食器を片付け、私は歯を磨く。歯を綺麗にしてから洗面所のカーテンを引いて秋雲からこちらが見えないようにした。壁にかけていた軍服を取り着替える。上着のボタンを下から上へと留めていく度に気持ちが引き締まっていった。首につけているペンダントを襟の中に入れ、鏡で身だしなみのチェックを完了するとカーテンを開けた。秋雲は軍帽を持って目の前に立っていた。私は軍帽を受け取ると頭につけ、また鏡で確認する。よし、準備完了だ。 「ひゅ~提督かっこいい~」 秋雲のからかうような声を適当に流し、私はドアノブを掴んでドアを開けた。 「あ、ねぇ、今日は帰りは遅くなるの?」 ドアノブに手をかけたまま、私は少し考えた。 「多少は定時を過ぎるかもしれないが、八時までには戻るはずだ」 「そっか~じゃあ夜ご飯も作ってあげよっか?」 「いいのか?」 「いいよいいよ~今日は秋雲さんの特大サービスデイでーす」 秋雲は調子良く笑った。私もつられて目元が緩んだ。 「楽しみにしている。……ではいってくる」 ピンっと張った腕が目の前で大袈裟にブンブンと揺れた。 「いってらっしゃーい!」 笑顔で見送られ、私はドアを閉めた。襟の中からペンダントを取り出し、鍵の一つを鍵穴に差し込む。 ガチャリ。 それから最近ドアの左に取り付けた南京錠をセットした。残りの鍵で南京錠を閉める。 ガチャリ。 これで誰も私の部屋へ入れない。 秋雲も私の部屋から出て行かない。 ここは私と秋雲の空間。 誰にも邪魔はさせない。 私はペンダントを再び襟の中へ戻すと、仕事場へと向かった。 ------------------------------- 執務室へ通じる廊下を歩いているとドアの前に見慣れた白い長髪が見えた。女の顔が私の方に向けられる。 「おはようございます提督」 「おはよう、翔鶴」 翔鶴はドアノブを引いてドアを開けた。私は会釈をすると執務室へと入り、やや遅れて後ろからドアの閉まる音が聞こえた。 「お体は大丈夫ですか。いつもより少し気分が悪そうですが」 「昨日は少し飲みすぎたが、昼には酒も抜ける。気にしなくていい」 「ではお茶を用意しますね」 そう言って翔鶴は給湯室へと消えた。私は執務机のリクライニングチェアーを引いて腰かけた。座り心地のよい感触に私は安心して背中をもたれさせる。緩慢な動きでノートパソコンの電源をいれパスワードを入力してロックを解除すると翔鶴が電気ポットと湯飲みを乗せたトレイを持って机の前まで来ていた。書類や本が置かれていないスペースにトレイを置き、湯飲みを私の前に差し出した。 「ありがとう」 感謝の言葉を述べて湯飲みを手に取る。手に伝わる仄かな温かさに気持ちが和らいで口をつけた。 「第二艦隊は予定通り朝の11時に帰投するそうです。第一艦隊の出撃の準備も整っています」 「そうか。出撃は第二が帰って来た後だ。また第三を午後13時からタンカー護衛任務に送る。メンバーは……旗艦を龍田、時雨、白露、村雨、以上4隻だ」 「了解しました。第一の編成に変更はありませんか」 「ない。予定通りだ」 「演習はどうしましょう」 私はデスクトップにある船のアイコンをクリックした。数秒後にこの基地にいるすべての艦娘の名前のリストが出てきた。一覧にザッと目を通して頭の中で編成を考える。 「旗艦を大井、比叡、ヴェールヌイ、阿武隈、那智、羽黒の6隻。午前も午後もこのメンバーだ。大井は……もうすぐで改二にできるか」 大井の名前をクリックして彼女の現時点でのステータスを確認した。北上は既に改二になっており第一艦隊の主力として活躍していた。大井も改二にして改修すれば一ヶ月以内には北上と一緒に第一に組ませられるだろう。 「……演習はそのメンバーでよろしいのですね」 確認の声に私は頷いた。 「あぁ、頼む」 「……本当に?」 私は顔を上げた。翔鶴は不安そうな目で私を見ていた。 「何か問題でもあるのか」 翔鶴は目を伏せる。 「……了解しました」 その言葉には不満が滲み出ていた。私はそれに気付かない振りをしてディスプレイに目を戻した。 「翔鶴も第一で出撃だ。秘書の仕事はもういい。お前にとっては初めての南方海域への出撃だ。念入りに準備をしろ」 「……はい」 翔鶴は頭を下げるとドアへと向かってた。ドアを開けて執務室から出ていく間に翔鶴の視線を感じたが、私はノートパソコンから目を離さなかった。バタンと閉まる音を聞いてから私はドアへ目を向けた。 翔鶴の不満の原因は分かっている。しかし今の私にはその不満を解消してやる気持ちが全くなかった。任務遂行に支障をきたさないからだ。翔鶴は不満を持っても私の決定に決して逆らわない。私が彼女の上司で、これは仕事だからだ。 私は提督という立場に甘えていた。 --------------- ヒトマルマルゴー。 書類の処理をしていると控え目なノックの音が聞こえた。ガチャリとドアが開き、失礼しますと声がした。翔鶴だ。 「提督、議会の方がいらっしゃっています」 私は耳を疑った。 「そんな話は聞いてないぞ。何故突然」 「はい、何でも近くに来たからついでに顔を出されたようです。どうなさいますか」 「どうもこうも……分かった。今から行く。翔鶴は同行しなくていい」 「分かりました」 翔鶴は再び部屋を出ていった。私は頭を押さえた。議会の人間とは昨晩の集会で酒を飲み交わしたが、しばらくは顔を合わせたくなかった。だからといって挨拶もせずに帰らせるのは相手の気分を害するだろう。私は気分がのらないままチェアーから立ち上がった。 ------------------- 「やぁ提督!昨日ぶり!」 応接室に入った私に朗らかに挨拶してきたのは、議会に在籍している友人だった。 「訪ねるなら訪ねるで連絡をくれないか。こちらは常時暇ではないんだ」 私の文句に友人は小気味良く笑った。 「まぁまぁ固いことは言いなさんな。俺は昨日みたいな集会がない限りここらへんは滅多に来ないから色々ぶらつきたいんだよ。それに」 友人の口元がにやついた。 「艦娘っつーのを見てみたかったんだ。いや~可愛いねぇ、翔鶴ちゃんだっけ?髪が白い子」 私は思わず苦笑した。いかにも軟派な友人らしい。 「ここに案内されるまでに他にも女の子を見たけど、子供もいるんだな~選り取り緑じゃねーか。羨ましいね」 「あんまりふざけたことを言っているとお前の奥さんに言いつけるぞ」 「おいおい!勘弁してくれよ!」 友人は顔の前に手を合わせる。やれやれ、私は溜め息をはいた。 「……基地内を見たければ案内をつけよう。翔鶴は出撃を控えているから別の艦娘にやってもらうが構わないか」 「おうよろしく!オススメの可愛い子ちゃんで頼むぜ!」 「では、私は仕事が立て込んでいるから失礼する。十分以内に案内をここに寄越そう。あと食堂にも寄るといい。腕のいい料理人がいるんだ」 そう言って私は部屋を出ようとした。 「なぁ、待てよ。そう急いで片付けねぇといけねぇやつなのか」 友人の言葉で私の足が止まる。私は後ろを振り返らなかった。 「あぁ、そうだ。私は忙しいのでね」 「翔鶴ちゃんから何も聞いてねーの?」 翔鶴から?その言葉が気にかかり体を友人の方へ向けた。 「お前のお陰で南方海域に進出できたろ?その功績を讃えて国から賞状と勲章が貰える話」 「…?その話は確か」 「そ、お前は辞退するって言ったが… メンツってもんがあるんだ。議会のお偉いさん方はお前の気をどうにかして変えさせろって俺に念を押してね…ショージキ参ってる訳よ、お前の頑固さには」 昨晩の酒の席でも友人だけではなく他の人間からもその話を再三された。御託はいいからとにかく素直に貰えと。なんなら多少のお小遣いもやってもいいと。 「ただ受け取るだけじゃねーか。何かをしろって話でもない。受け取るだけでクソを出すより簡単に羨ましがられる名誉を得られる」 「…今でも充分と言えるほどの評価を得ている。これ以上は私には釣り合わない。それに私よりも艦娘にこそ賞状や勲章は与えられるべきだ。私は単に作戦を考え、指示をしただけだ」 「軍と政界ってところはまだまだ男社会でさぁ……”艦娘の戦果をお前が代表して受け取る”、これでもダメか?」 例え友人に説得されようとも、私の意志は変わらない。 「艦娘にはあっても、――――――私自身に受け取る資格がない」 静かな時間が流れた。友人もついに諦めたのだろう。私はドアノブを引いた。 「――――――臆病者め」 憎まれ口に思わず口元に笑みが浮かんだ。今の私にはお似合いの言葉だった。 「失礼する」 私は応接室のドアを閉めた。左手につけている腕時計を見ると十時五十分を指していた。この時間なら第二艦隊の出迎えが出来そうだ。私は港へと足を進めた。 ------------------------------- 私が港に着いた頃には翔鶴が既に第二艦隊の旗艦の神通と話をしていた。周りにいた第六駆逐隊の雷が私に気付いて「司令官ー!」と嬉しそうに呼びかけた。 「ただいま司令官!資源いっぱい取ってきたわよ~」 雷が自慢げに言った。電も「なのです!」と便乗する。 「いつもより量が多いですよ。大成功ですね」 翔鶴が第二が持ち帰った箱の山を指差した。工廠スタッフの妖精がえっちらほっちらと箱を工場へと運んでいく。 「みんなよくやった。流石だな」 「当然よ!一人前のレディーなんだからこれぐらい朝飯前なんだから」 暁がツンとした態度でいる隣で響は無言で頷いた。その様子が微笑ましい。 「疲れただろう。今日はもう休んでいいぞ」 はい、と第二が返事をした。私と翔鶴以外は寮へと向かって行った。二人きりになったので私は話を切り出した。 「翔鶴、友人から私に何か言うように言われていたのではないか」 はい、と返事が聞こえた。 「賞状と勲章の件は、提督にはお考えがあって受け取らないのですから私が口を挟む必要はありません」 それに、と翔鶴は続ける。 「私は賞状にも勲章にも興味はありません。他の艦娘たちもそうでしょう。誰も貴方の判断を咎めません。深海棲艦もまだいますからね」 翔鶴は海の向こうを見据えた。私もそちらに目を向ける。私には水平線しか見えないが、翔鶴の目には何が映っているだろうか。あの化け物たちが見えるのだろうか。 「怖いか」 私の問いかけを聞いて翔鶴は私に振り返る。目の前の顔はこれからの出撃に戸惑っているようにも、期待しているようにも、恐れているようにも見えた。翔鶴がここへ来たのは数週間前のことだ。古参と比べればまだ練度は低いが、持ち前の能力もあってそれなりの戦力を身につけた。あとは実戦経験を重ねれば主力の一航戦である赤城と加賀に追い付けるだろう。 「分かりません。ですが、五航戦として恥じない戦果をあげる所存です。不在の一航戦の先輩たちの分まで頑張ります」 赤城は今は第四艦隊の旗艦になり、加賀と共に遠征に行っていた。帰りは明後日になる。この基地には正規空母は赤城、加賀、翔鶴、そしてもう一隻の四隻しかいない。南西諸島海域を攻略中に出会った赤城と加賀は我が軍のトップレベルの強さだ。その二隻を遠征に送り出したのは、その長期遠征が難しいものであること、そして不在により翔鶴の気を引き締めさせて戦闘力の向上を刺激するためだ。正規空母以外にも軽空母や戦艦など、翔鶴よりも錬度の高いものはいるので赤城と加賀の不在にそれほどの不安を抱いていなかった。 「翔鶴一人での出撃ではない。戦慣れしている陸奥も榛名も、北上、不知火もいる。隼鷹もサポートしてくれるさ。それに今回は偵察だ。気負わなくてもいいが、適度な緊張は保っておけ――――――お前には期待しているんだ」 私は翔鶴の肩を叩いた。少しでも翔鶴を励ましたかった。しかし翔鶴の顔に陰りが差し込んだ。 「……期待しているのは、”私だけ”なのでしょうか」 一瞬喉が詰まった。翔鶴は秘書として有能だった。書類の処理も卒なくこなし、雑務も艦隊の世話もキチンとやってくれる。演習を通して戦力もあげていき、遠征でも出撃でも結果を残してきた。決して私情を挟まず私の言う通り、望む通りに行動してきた。しかし今の翔鶴は仕事仲間の枠から抜け出そうとしている。今まで何度かそういう機会があったが翔鶴は自身を抑え込んでいた。だが今は、きっと今ならその殻は破られる。 「提督は、どうして”あの子”を閉じ込めているのですか」 翔鶴は私の目を真っ直ぐに見る。その目に居心地の悪さを感じながらも私は目を逸らすことができない程身体が緊張していた。私の手はタイミングを失って翔鶴の肩に置かれたままだ。 「艦娘は深海棲艦と戦う為に生まれました。それが私たちの存在意義です。中には戦いを望まない者もいます…それでも、私たちはその為にここにいるんです。みんな求められれば戦いに赴きます。勝つために己を鍛えます。それなのに貴方は、あの子をどうして戦いから遠ざけるのですか。装備もすべて外して…出撃はおろか遠征も演習にも出さない。何故ですか」 「それは…」 「私はここに来てからまだ一ヶ月も経過していません。新参者の私に先輩たちも提督も、色々教えてくれました。装備だって強力なものを与えてくださいました… 私より遅れて入ったあの子にも同じことをしていたではありませんか。それをどうして急に止めたのですか、提督」 今まで溜めに溜めていた疑問を翔鶴は私にぶつけていた。翔鶴は私から答えを求めていた。私は、私は。 「……っ――――――」 翔鶴の顔が歪んだ。私が翔鶴の小さな肩を強く握っていたからだ。いや、握るというよりも、服越しからでも中の肉を抉り出さんばかりに爪を立てていた。 「……出撃は十二時三十分だ。他の第一メンバーに伝えろ。さぁ行け」 肩から手を離した。翔鶴は痛んだ肩を手で押さえた。 「……了解、しました」 小さく呟くと翔鶴は私に背を向けて歩き出した。私はその遠くなる背中を最後まで見送らず、何も見えない水平線を見つめていた。 →続き
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527 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2014/02/12(水) 11 08 17.82 ID pWbXPwmOこのスレでいろいろ読んでるうちに自分でも書いてみたくなったけど、文才ってどこに課金したら手に入りますか?528 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2014/02/12(水) 11 51 17.48 ID oj2kf4w1 527とりあえず気にせず全力で書いて投稿でいいと思うよ文章のうまい下手よりこんなネタで萌えましたドーンってのでいいんじゃない?文章下手だから偉そうに言えないけど個人的にやるといい作品になるんじゃないかなーと思ってる作業・艦娘の言動や史実から性格や人間関係などを考察(誰にどういう感情抱いて接してるかとか性格や考え方などプロファイリングすると意外と楽しいw)・ついでに提督や舞台背景も考える(テレビCMの登場人物ですら名前や経歴があるらしいw某腹痛薬のCMだと「おなか」さんとねw)・こうすると楽しい!萌える!エロイ!など何を表現したいのか的を絞ってみる。というか妄想する(シチュエーション次第では小ネタでも妄想膨らんで楽しいw)・全文書いた後それぞれの登場人物になった気持ちで何度も読み直す(分かりづらかいとか、こうするとより伝わってせつないかも!みたいなことを結構思いつく)・慣れてきたら「地の文」の表現方法を試行錯誤してみる(官能小説とか地の文だけでおっきするw)529 名前:6-632[sage] 投稿日:2014/02/12(水) 12 47 13.01 ID xQ4WoVrI 527俺は文章力より妄想(想像)力だと思う俺の文はクソでかつ、提督視線なのはその時の提督を降臨と言うか憑依させてその情景を想像し実況する書き方してる逆に言えば一発勝負で推敲も修正もしないだから誤字、脱字はしょっちゅう 実は昨日のヴェールヌイの話は響視点も想像してた だから、最後はああなった 汚い話し、エロシーン書くときは勃起させながら書いてるし シリアスなら泣きながら書いてる 提督やキャラになりきる、ロールプレイの要素が大きいと思う つまり、仕事中に思案してるって事は、仕事中にトリップしてる事を意味し… さて、午後の業務行ってくるでち 547 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2014/02/13(木) 19 28 35.56 ID HP+iBQsh 527SSを書くときは俺はこんな感じ。1.書きたいネタ・シチュをまず用意。(例:比叡と酒盛りやってお互いちょっと酔っ払ったところで色々ぶっちゃけていい雰囲気になりたい!)2.そのネタ・シチュを実現できるお話の大枠を設定する(例:深夜まで秋イベントの資源回復計画の残業・イベントの慰労も兼ねて週末だからと少々強引に誘うとかどうよ)3.登場人物の立ち位置設定(提督:金剛姉妹に頼りっぱなし、でも実は比叡が一番好き 比叡:秘書艦、お姉さまLOVE、でも提督への感情とは別物…このカプは滾る!)4.以上の設定でお話を脳内でスタートさせ、その様子を文章で記録。その際細部の設定も適当に作る(例:飲む酒の種類は?それはどこから手に入れた?その準備をしてる時比叡は何やってる?等々)5.推敲(比叡はこんなこと言わない!(一人称等に注意)や誤字修正等)して投下あと、抜ける濡れ場を書くスキルはまた別物だなぁ…俺は某eraいゲームのお気に入り口上を参考にして書いてるけど548 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2014/02/13(木) 20 42 23.14 ID c5MQbS+tキャラクターのセリフとかは他の人物とかの関係性とかでも結構変わるからなあ何でもかんでも提督とか司令官とか呼ばせりゃいいってもんでもないと思う(階級的に提督じゃないのに提督と呼ぶ人はわんさかいるけど)夫婦間での時間でさえ提督とか呼ばれたらなんだかなあ……って感じだしゲーム中だとキャラごとにプレイヤーをなんて呼ぶかは決まっているのはゲームの都合上の問題だろうけど549 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2014/02/13(木) 20 56 50.80 ID XacPMXP0 548どっかのカップル板のまとめサイトだかでみたんだけどスレ主「高校時代の彼女(後輩)と結婚したけど結婚後もずっと先輩呼びされてる」というのを見て「ああ、なんか良いなそういうの……」って思う俺がいるから人それぞれだと思うよでも、「提督」ってのは役職名だから「先輩」呼びとはちょっと趣が違うかもね551 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2014/02/13(木) 21 48 43.42 ID 2VooPPFm 549職場結婚して家庭内でも課長呼ばわり的な550 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2014/02/13(木) 21 47 36.50 ID Cogl9iaWあれこれ考えるのが苦手という人は頭の中に映像を流してそれを記述するというのも手二次創作みたいに登場人物がどういう人間か説明しなくて良い場合には比較的楽な手法595 :名無しさん@ピンキー:2014/02/18(火) 07 33 57.29 ID zs55Tv3y短編中編はインパクト勝負の所もあるので、絵になるような印象的なシーンとラストシーンの2点を先に思いつけたなら 後はそれに繋がるように設定と流れを考えていくと書き上げやすい、最近の自分の書き方はほぼそんな感じ その場合、開幕は好きに選べるけど終幕と何らかの共通点をもたせると収まり良い感じで個人的に好み なお例のシーンは五感のフル使用を意識すると割と良い感じになる模様 特に味覚と匂いの描写はなかなかの破壊力 596 :名無しさん@ピンキー:2014/02/18(火) 13 00 53.88 ID ZBciYYr2思いついたネタをメモ帳に書き連ねて、 ある程度溜まったらあれとこれを組み合わせたら話としてつながるなあ……ってなって、 最初にまず書き出すと芋づるのようにある程度までどんどんキーボードを叩ける オチが思いついたらそこを目指して書き進める まずは勢いが大事で、書き上げたあとで客観的に読み直して推敲してる 709 :名無しさん@ピンキー:2014/02/25(火) 06 14 52.95 ID wO7gpcVH あと誰視点で書くのかも重要だよな 提督視点、艦娘視点、第三者視点、神(両者の心の声描写付き)の視点、それぞれが混ざるとこんがらがる 最低でも段落ごとに統一したいね ↑の例を借りさせてもらうと、明らかに提督視点で書かれているのにRJちゃんの心の声が混ざると読者が混乱する 気に入ったSSの艦娘視点ver.とかを書くと練習になると思うよ 753 :名無しさん@ピンキー:2014/02/26(水) 10 21 42.85 ID SI/X24Q4 地の文は2、3行で1行空ける 「」は前後を1行空ける 「」の前にキャラ名をつける ←省略可 例 地の文地の文地の文 地の文 地の文地の文地の文地の文 A「」 A「」 B「」 地の文 地の文 地の文
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以下、陵辱&輪姦&NTR要素注意! 繰り返す、陵辱&輪姦&NTR要素注意! 警告に該当する者は直ちに当海域を離脱せよ! ========= 「ぁうっ、うぁぁっ!? あぐっ! うぅぐぅぅっ、あぁああっっ!!」 ウラジオストクの寒い夜。 分厚い塀に隔てられた軍事施設の中で、場違いな日本語の悲鳴が谺する。 「オラオラァ! しっかり腰振らんかァ、賠償艦!」 熊のような体格のソ連将校が、ウォッカの匂いの染みついた巨体を、白く小柄な響の裸体にのし掛からせている。 「ううっ、やっ嫌っ……! ひっひぃっ、あぐぁぁあっっ!?」 無毛の幼い割れ目を、ドス赤黒い露助巨根が裂ける直前まで拡張し、容赦なくゴスゴスと切削していく。 そのたびにぶちゅ、ばぷっと下品な音を立てて漏れ出す黄ばんだ精液の量は、 すでに響の中に濃厚なソビエト産ザーメンが何度も何度もぶちまけられていることを物語っていた。 「しかしガキのくせに処女じゃないとはなー、中古艦寄越すたぁナメやがって、日本人め」 響の頭を無遠慮に掴み上げながら、もうひとりの軍人が唾を吐く。 「まあいいじゃねェか。そのぶん奴らから寝取る楽しみが実感できるってモンだ」 「違いねェ! おいヒビキとかいうの、お前のロリ穴開通式は誰にしてもらったんだ? 日本の弱っちい司令官かぁ?」 その下卑た言葉に、壊れた人形のようにされるがままだった少女の瞳に、理性の灯火が再び灯った。 「し……司令官はっ、私の司令官は……!」 鎮守府で過ごした、あの輝かしい日々。誇り高き戦いの日々。そして心を通じ合わせた最愛の提督。 体をいくら蹂躙されようと、その大切な思い出までは穢させはしないと、青銀の瞳が反抗の光を宿す。 「君たちのようなクズとは、違うっ……私を、大事にしてくれた……愛してくれた、んだ……!」 だが、一拍の沈黙を置いてそれに答えたのは、熊というより豚を思わせる不快な哄笑だった。 「ぎゃはは! なに言ってンだこいつ! ガキが色気づきやがって!」 「いいかァ、その司令官サマが軟弱だからてめーはこうして売られたんだよォッ! おらちょっと黙ってろォ!」 「……むぐぅぅっっ!? うぶぅぅぅっ!!」 頭を掴んでいた将校が、イボつきの凶悪な男根を無遠慮に突き入れて小さな口を塞ぎ、そのまま無理矢理前後する。 「ふんふんフン! おぉっほう、たまらんぜぇ、ほっそい喉マンコがチンポを締め付ける感触はよぉ~!」 「司令官サマの黄色いチンポと比べて俺のはどうよ、ってあぁ答えられねーか、Извините(すまねえな)!」 上下の穴を野太い剛直に貫かれ、体ごと激しく揺すられるストローク、愛情の欠片もない欲望まみれのピストン。 まるで幼い体を赤熱した鉄の杭で串刺しにされているような苦痛と屈辱が、酸欠状態で朦朧とした響の脳を灼いた。 「こいつら艦娘には人権なんざ無ぇからなあ! ましてや、どうぞ好きにして下さいって寄越された賠償艦だ!」 「ブッ壊しちまうまで使い込んで、老朽化で魚雷処分しましたとでも報告しときゃいいからなぁ!」 腐りきったセリフに乗せ、ちっちゃな子宮口をガンガンと手荒くノックし、口までも性器に変えていく、二本の肉凶器。 もはや響は、洋上の嵐のようなその猛威にただ翻弄され、なすすべなく未成熟な体を蹂躙されるがままだ。 「おっおおっっ! ガキマンコがいっちょまえに締めて精液ねだりやがるぜ、出るぞぉぉ、また射精してやるぞぉぉ!」 「んんっっ!? んうぅぅぅーッッ!!? んーうぅぅっっ!!」 おぞましい射精の前兆を、ぷっくりとチンポの形が浮き出すほど犯されたお腹の中で感じ、声にならない悲鳴をあげる響。 だが、か弱く暴れ回る細い腰を、毛むくじゃらのごつい腕ががっちりとホールドし逃がさない。 「こっちもブチまけてやるぜぇぇ! てめぇが誰の艦か、しっかりこってりマーキングしてやらんとなぁぁ!」 青みがかった銀髪をわしゃわしゃと荒々しく掴みながら、喉奥をずぽずぽとえぐるイラマチオもそのスピードを増す。 響にとってなお恐ろしいのは、こうして連日ぶつけられる欲望に、強要される下卑た行為の数々に、 自分の肉体と精神が順応しつつあることだった。心までが、この状況を諦め受け入れつつあることが、何よりも怖かった。 (嫌、嫌だ……! たっ助けてくれ司令官っ、このままじゃ私が……つ、造り替えられてしまうよぉ……!) 「うおぉぉぉっっ! Да(いいぞ)! Да! ソ連軍人様の有り難い精液でしっかり孕めよォォォォ!!」 「конец(イクぞ)! オラ舌出せや! タンパク燃料くれてやるから感謝して浴びろォッ!」 どぶゅるるるっっ……どびゅぶぶぅうっっ!! どぐんっ、びゅくんっっ……ごびゅんっっ! どぐくんっ! ぶばっっっ! びゅちゅっ! どぴっ……ぐびぴっ……びちょおぉ! べちょにちょぉぉっっ……どろぉぉっ……! 「あぶっ、ぶはっ! うっゲホッ……あっ熱っ、うあぁぁあぁあっっ!? いやだっ、もう嫌だぁぁぁぁっっっ!!!」 どぐんどぐんと、好きでもない中年男の大量精液が胎内に押し入ってくる絶望的な感触。 顔や髪にも、ねっとりと黄ばんだ臭い白濁液がほぼゼロ距離で撒き散らされ、二度ととれないような汚臭を染み付ける。 「ふう~、出した出したぁ~。日本産マンコはやっぱ締まりが良いぜ、やるじゃねぇか賠償艦ちゃんよぉ!」 「ぐへっへっ、これからも俺達がみっちり改造してやるからなぁ。チビな体がボテ腹になンのが楽しみだぜぇ」 ごぽぉん……っと、太い剛直が抜き出され、すっかり広がってしまった幼い女性器が、 痛々しく充血した割れ目から、ぷるぷる震えるゼリー状の汚汁を湯気とともに力なく吐き出した。 「あ、あぁぁ……っはぁ、ぁ……うぁ……あ…………」 放心した響をよそに、精液注入を終えた男は床に落ちた軍帽を拾い、体液でどろどろに汚れたペニスをゴシゴシと拭う。 あの懐かしい鎮守府で、司令官がその帽子の上からよく頭を撫でてくれたことを、響はどこかぼんやりと思い出していた。 「おい、お前は今日からヒビキじゃねえ、Верный(ヴェールヌイ)だ。その精液臭ぇ日本の服と軍帽も捨てとけよ」 「ゲハハッ! 確かに肉便器艦としちゃ“信頼できる”性能だからなァ!」 「明日からはケツ穴もみっちり近代化改修してやるからなッ! 覚悟しとけや!」 異国の軍人たちの手で、全身を真っ白に染められた、かつて響と呼ばれた艦。 だがその色は、北の海に降る美しい雪の白ではなく―――。 (暁……雷、電……みんな、すまない……私は、もう、戻れない……みたい、だよ…………しれい、かん…………) ========= 「―――みたいなことになったらどうするんだ!? 俺は絶対にお前をこれ以上改造しないぞォーッ!」 「えっと、そのなんというか……(ドン引き)」 「わざわざ変な紙芝居作られて朗読されても! あとムダに長いし!」 「ひとことで言うと考えすぎだよ司令官。どれだけ想像力が負の方向にたくましいんだ」 「だいたいアンタ、賠償艦のイメージが変に歪んでない?」 「そもそもソ連の皆さんに失礼なのです」 「いやロシア男がイク時にダー!ダー!言うのは本当だって!」 「なにそのどうでもいい豆知識……」 「まあ、安心してくれ司令官。私はヴェールヌイになってもずっとここにいる。離れて行ったりはしないさ」 「う……うぉお……ひ、響ぃーっ!(がばっ)」 「はいはい、よしよし」 今日も 鎮守府は 平和です。
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14 :名無しさん@ピンキー:2014/04/17(木) 01 33 55.94 ID Di4v7A7c お風呂騒動 伊58「てーとくー、何でてーとくは少佐なのに提督って呼ばれてるんでち?」 それはゴーヤのそんな些細な一言から始まった。 提督「ゴーヤか、どうしたんだ?突然」 いつの間にか背後に回り、抱きつかれる。 潜水艦だけあってか気配を消すのがうまいようで 何処からか突然現れ、よくこうして抱きつかれている。 始めのころは、柔らかい二つのふくらみを押し付けられて あたふたとしたものだった。 最初はイクだけだったのだが、いつの間にかゴーヤたちも真似するようになっていた。 伊58「他の提督さんはみんな少将以上なのに不思議ねって 他の艦娘が話してるのを聞いたでち。なんででちか?」 提督「ふむ」 ゴーヤの言う通り、提督と呼ばれる者は少将以上が通常だった。 深海棲艦が現れるまでは。 伊19「イクも気になるの!」 ひょこっと何処にいたのかイクも抱きついてくる。 潜水艦は気配を消すと心も読めないので時折びっくりさせられ、心臓に悪い。 むにゅっとボリュームのあるふくらみにゴーヤが少し押され気味になった。 伊58「わわ、イクちゃんに押し出されちゃうでち」 伊19「いひひ、それそれ~なの!」 むにむにと頭の上で乳相撲を始めるのは色々と困りものだ。 何処の提督がこの水着を指定したのだろうか。 まったくけしから・・いい趣味をしている。 伊401「なになに?ないしょのお話?しおいも気になっちゃうな~」 伊8「あ、それなら・・・はちが知っていますよ」 にゅっと提督の足の間から二人が顔を出す。 提督「しおい、はち、何処から顔を出しているんだ・・・」 伊168「すみません司令官。目を離したすきにいなくなっちゃって・・・」 そういって遠征帰りのイムヤはしおいとはちを摘み上げる。 伊401「やだやだやだ!提督のおひざがいいよ~」 ジタバタと提督の足にしがみついて離れなかった。 伊8「あ、それでははちは提督の右腕にしますね。」 大人しくイムヤにつかまったはずのはちが、いつの間にか右腕にしがみついていた。 イクに負けず劣らずの胸に腕を挟まれ、どうしたものかと思案する。 伊168「あっ、こら!もう・・・それじゃあ司令官の左腕はイムヤにお任せ!」 提督「う、動けん・・・」 心地よい刺激は魅力的だが、このままでは任務が遂行できそうにない。 どうしたものかと思案すること数瞬、先ほどはちは知っていると言っていたな。 15 :名無しさん@ピンキー:2014/04/17(木) 01 34 27.61 ID Di4v7A7c 提督「はち、代わりに説明してくれるか?」 伊8「んぁはっ、きゅ、急に動かれると、びっくりしちゃうんだよねぇ・・・」 そういえば大きな音などが苦手というのを話していたのを思い出した。 しかし今回のは少し違う。 伊8「(提督の腕が胸に擦れて・・・先っぽが///)」 と心の声が聞こえてきた。 提督「はち、すまない」 ゆっくりはちの頭に手を持っていくとビクッと身構えたはちだったが、 「大丈夫だ」というこちらの目線に気付いたのか、ふっと力を抜いた。 伊8「ダンケ、提督の手は落ち着きます。」 伊19・伊58・伊401「あー!はっちゃんだけご褒美ずるい(の/でち)!」 一斉に他の艦娘から抗議の声が上がる。 提督「いや、これはご褒美では・・」 そう言いかけて目を輝かせる艦娘たちに、負けた。 伊19「んふー、提督の手はおっきくて気持ちいいなのねー」 伊401「んー、きもちいー。提督撫でるの上手ですね!」 伊58「あっ、二人も先にずるいでち!」 何処となくゴーヤが寂しそうだったのでわしゃわしゃと撫でてあげる。 伊58「や、やめるでち!なんでゴーヤだけ乱暴なのぉ?」 伊58「(てーとくはゴーヤのことが嫌いなのかなぁ・・・)」 ものすごく切ない感情が流れ込み、慌てて優しくなで掬う。 この力をもってしても、未だに乙女心というものはよくわからない・・・。 伊58「あ、ほんとに心地いいでち・・・///」 ほわぁ~と夢見心地に、くてっとしな垂れかかってきた。 他の艦娘も皆恍惚としてしまっていることから、何か手のひらに 術でも施されているのではないかと本気で調べてみたが、 特に変わったところはなかった。 非常に謎だ。 伊168「あ、その・・・えっと」 ふと見上げると一人残ったイムヤがもじもじとしていた。 伊168「あ、あんまり痛くはしないでね?」 ギュッと目を瞑って祈りのポーズのようなイムヤに思わず噴き出した。 提督「ははっ、何か別のことに聞こえるな」 伊168「え?どういう・・・あっ・・・///」 撫ではじめると普段割とサバサバした性格のイムヤは 急にしおらしくなった。 伊168「これ・・・いいかも♥」 ふにゃふにゃとイムヤも床にぺたんと座り込んでしまい、 全ての潜水艦の撃沈(?)に成功した。 16 :名無しさん@ピンキー:2014/04/17(木) 01 35 21.59 ID Di4v7A7c 伊168「・・・そ、そういえばまるゆは?」 伊58「さっき木曾とカレー作ってるのを見かけたでち」 偶然か心を透かされたか、まるゆの話をしているのが聞こえた。 まるゆ・・・。 存在をすっかり忘れていたのを心の奥で詫びる。 そういえばこの鎮守府に左遷・・・いや、着任してから最初に懐かれたのも潜水艦だった。 潜水艦が着任するたびに次々に懐かれ、今では無音で気配もなく飛びつかれて、 気づくと潜水艦まみれになることもしばしばである。 伊8「・・・というわけで、提督は少佐にもかかわらず「提督」とか「司令官」って 呼ばれているわけです」 えっへんと胸を張るはちは普段は本に隠れて目立たないその大きなふくらみを より一層目立たせて潜水艦たちの視線を集めていた。 潜水艦ズ「ゴクリ・・・」 伊168「と、とっても大きくて(?)わかりやすかったわ!」 伊401「なぁんだ~、提督は術者だし何か特別なのかなって思ったのになぁ、ざーんねん」 伊19「艦娘を指揮する任務に着任した人はみんな司令官で提督なのね?」 伊58「みんなに教えてくるでち!」 そう、例え階級が下がろうとも一度艦娘と結んだ信頼はそう簡単に断ち切れない。 提督が死亡しようとも、任務放棄して行方知れずとなろうとも、だ。 提督が一定期間着任しないとその鎮守府の艦娘は凍結され、 一定期間が過ぎると解体される。それは提督の死亡認定と同義だった。 17 :名無しさん@ピンキー:2014/04/17(木) 01 36 06.72 ID Di4v7A7c 提督「ふぅ、いい湯だな・・・」 鎮守府には艦娘用と提督用の風呂がある。 本来は艦娘の入渠のための風呂しかないのだが、 提督執務室に特別に拵えさせたのだ。 普段は気づかれない布団の下の床に・・・。 伊19「ほんとに、いい湯なのね~」 いつの間にかイクが横にいた。 提督「イク、いつの間・・に・・・・?、ぐっ」 なんだ・・・? 体が痺れて思うように動かない。 伊19「いっひひ!今日こそは追い詰めたのね!お礼は倍返しって言ってたのね!」 目をハート型にしながらイクが嬉しそうにこちらを見ていた。 迂闊だった。 先ほど飲んだ紅茶に一服盛られていたらしい。 今まで幾度となくモーションをかけられては迫られていたが よもやここまでの強行にでるとは・・。 伊19「さぁ~て、たっぷり可愛がってあげるの!」 ボディソープをたっぷりと水着の上からたっぷりと塗りたくり、 妖艶な笑みを浮かべながら迫ってくる。 提督「く・・・」 ぬりゅにゅり 伊19「んっふふ♪どう・・・なの?んっ♥きもち・・いい・・んんっ♥・・の?」 対面座位のような格好になってイクはしがみついて離さない。 ヌメヌメとした水着の感触と、二つの柔らかい弾力のある小山、 その先端の固くなった突起の感触にムクムクと劣情が鎌首をもたげる。 提督「イク・・・何を飲ませた・・ッ・・!」 伊19「いひひっ、ちょ~っと、ゾウさんも一撃必殺なお薬を飲ませたのぉ!」 一撃必殺・・・殺す気か・・・。 本来毒の類の効かない血筋だが、この薬はやばい。 解毒用の呼吸法でも薬の分解に追いつかない。 伊19「あー!また逃げるつもりなの?今度は逃がさないの!」 そういうと水着を少しずらし、狙いを定めていた。 何をしようとしているのか察したが、時すでに遅し。 伊19「えいっ♥」 ずぶぅっ あまりに勢いがありすぎて一気に一番奥まで突き刺さってしまった。 伊19「痛っ・・うぅぅぅぅぅ・・・痛い・・・のね・・・」 前戯もせずの挿入だったが、すでに膣中はとろとろになっていた。 それでも破瓜のあまりの痛みにイクはしがみついて涙を浮かべている。 18 :名無しさん@ピンキー:2014/04/17(木) 01 36 38.50 ID Di4v7A7c 提督「イク・・」 精一杯の気力を振り絞ってイクを撫でる。 破瓜の痛みと先ほどの快楽でイクも動けないようだった。 伊19「あ・・♥てーとく♥、提督はやさしいから好き・・なのね」 痛みに涙をため、快楽に蕩けきった顔で指を這わしてくる。 イクの瑞々しいぷっくりとした唇がゆっくりと近づいて、 そのやさしい口づけを無言で受け入れた。 伊19「んっ・・・ん・・・♥」 痛みによるものではない涙がぽろぽろと湯船に落ちる。 伊19「やっと・・・受け入れてくれた・・・のね」 にひひ、と笑うと抽挿を始めた。 提督「イク、無理はするな」 伊19「無理じゃ・・んっ♥ない・・・のね!ふぁっ♥」 ズンズンと激しく動くイクの声音には艶がのっていて 言っていることは嘘でないことがわかる。 先ほどからきゅうきゅうと締め付けられていたためこちらはすでに限界は近い。 一気に反撃に出る。 我、反撃ニ突入ス 提督「イク、いくぞ」 ズンズンズン 麻痺のとれた腰を激しくイクに打ち付ける。 伊19「あーっ♥んやぁ~っ♥はげしっ♥すぎるのね~♥」 伊19「こんなんで・・あっ♥・・イクを追い込んだつもりなの…?逆に燃えるのね!」 お互いに獣のように激しく求め合ううちに、限界が来るのはそう長くはなかった。 伊19「あっ♥あっ♥あっ♥もうっ・・イク、イクの~♥」 提督「イク、俺も愛している。」 気恥ずかしさから返事を許さずイクの唇を奪う。 伊19「!?ンンッ~~~~♥♥♥」 イクはビクビクと大きく痙攣してギュッとしがみついて果てた。 19 :名無しさん@ピンキー:2014/04/17(木) 01 39 05.70 ID Di4v7A7c 伊19「のぼせたのね~」 イクがのぼせている間に、破瓜の血の混じった湯を捨て もう一度湯を張りなおした。 提督「無茶をするからだぞ・・あまり心配させるな」 あの後ぐったりしてしまったイクを慌てて介抱して今に至る。 唸り続けるイクを団扇で仰ぎ続けたが、もうだいぶいいようだった。 伊19「んふー、提督は何をしても怒らないから好きなのね」 イクを仰ぐのをやめ頭を撫でていると気持ちよさそうにそんなことを言ってきた。 提督「いつも驚かされてばかりだな」 伊58「それー!でち!」 提督「うお、ご、ゴーヤ!?何処から・・・」 伊58「提督の湯船からこんにちは!ゴーヤだよ!って、イクちゃんだけずるいでち! ゴーヤも提督と愛し合うでち!」 伊401「あー!次はしおいの番ってさっき決めたでしょ!? ね、ね、提督!しおいとしよ?ね?いいよね?・・・ね?」 伊8「あんっ♥はっちゃんヤっちゃった?・・・んくっ♥」 いきなり挿入してきた初めてと思われるはちが、痛みに耐えて口づけをしてきた。 提督「く・・・いつの間にはちまで・・」 伊168「ず、ずるい!私も司令官に愛されたいのに!」 伊19「くぅっ、提督は渡さないのね!」 伊401「あーん、しおいも!ね!いいでしょ?ね?」 伊58「ゴーヤも忘れないでくだちい!」 こうしていつものごとく、鎮守府の夜は更けてゆく。 まるゆ「隊長に美味しいって言ってもらえるかなぁ?」 木曾「何を言ってるんだ。木曾カレーにかかれば提督なんていちころだ。」 前に褒めてもらったしな。と木曾は照れ笑いをしつつ付け加えた。 まるゆ「まっててね!隊長!」 その日、カレーを持って行ったまるゆはお風呂騒動に巻き込まれ カレーと一緒に美味しくいただかれたのだった。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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艦娘はいい。 特に空母は最高だ。 あの飛行甲板の雄々しき姿、そして艦上機を次々に送り出す様はまさに爽快だ。 艦隊戦であっても飛行機の力が必要になる。 初めて空母を艦隊に配置したときの飛行機による爆撃、雷撃の破壊力には心震えた。 空母は戦の要だ。 し・か・も! 皆真面目でおしとやかで要領いい娘だ。 彼女らと出会えたことを僕は神に感謝したい。 そう。 真面目で。 「提督ぅ~ごめーん寝坊しちゃった。皆もう出撃(で)ちゃった?」 おしとやかで。 「うう、二日酔いしちゃった。うううっ、バケツバケツ…」 要領のいい。 「結構でちゃった。バケツ五個!新記録だぜ。」 彼女らに出会えたことを僕は神に感謝したい。 「おいおい照れるぜぇ~」 「お前をのぞいてなあ!」 そんな比較的いい娘が多い空母の中にも一人、例外がいる。 隼鷹だ。 「あのさあ…僕言わなかったっけ?06;00時をもって沖ノ島へ進出するって…。」 「あー。」 「あー。じゃないよ。我が鎮守府始まって以来の大戦だよ?他の皆もう出撃しちゃったよ?」 「飛鷹も?」 「うん。」 「今何時?」 「06:30」 「間に合うかな?」 「低速艦じゃむり。」 「しゃーねーな。提督、酒に付き合ってよ。階級中佐だっけ?いい酒あるでしょ?」 なにいってんのこいつ。反省する気ゼロじゃん。てかまだ飲むの? 「残念だが海軍学校出たての貧乏提督なんでね。そうゆう類、買う余裕なんかありません。指令室がいまだにぼろ和室なのもそういう理由。」 本当はピカピカの部屋じゃ落ち着かないからなんだけどね。小物くさっ。 「わかったならさっさと帰ってくれ、あと始末書な。覚悟しt」 「ここだ!」 ばばっ、と隼鷹は足元の畳をひとつ返した。 「ビンゴ!」 「マジかよ」 そこは僕の酒の隠し場所だった。 「はっはっは~旨い酒だあ、初めてのんだぜこんなの~いつものんでる安物とはわけがちがうぜ。あ、提督も飲んで。」 「…」 僕、威厳ないのかなぁ…。泣けてくるわ。 「なにふてくされてんのさあ。しかしいけずだねえ、こんな旨い酒を一人占めするなんてな~二人で飲んだほうが二倍旨いって。」 「減る量は十倍だがな。」 「かもな。」 ふふん、と隼鷹は鼻をならし酒をあおる。 いいのか軽空母一人にこんな横暴を許して。いやよくない。 隼鷹は完全に僕を舐めてやがる。 鎮守府ひとつ任せられる提督の威厳を取り戻してやる。 同じ空母の風上にもおけないこいつにじいいっくりお灸をすえてやる。 いくぞ。 僕は一升瓶の酒を手に取り一気にあおり… 「っぐ…っぐ…っぐ………」 飲みほした。 「おお!やるねえ!ラッパ飲みとは!すごいすごい!」 「隼鷹!」 僕は立ち上がり、瓶を投げ捨て、咆哮した。 隼鷹はすわった目でこっちを見ていた。 「いまからお前に懲罰をあたえてやるからなあ!遅刻に始まり、さらには僕のプライド…んぐっ」 「んっ」 一瞬だった。 隼鷹はいっきに接近して キスをしてきたのだ。 不意を突かれた僕の口内に彼女の舌が滑り込む。酒臭いと感じたが不快ではなかった。 「ちょ…じゅんよ…ちゅううう…」 「んちゅ、ぢゅるるる、にゅるる、にゅっちゅ、」 酒により潤滑になった舌が官能的な音を生み出す。 口からあふれ出した涎が僕の顎を伝い、足元に小さな水たまりを作る。 これでもか、というぐらいねっとりとした接吻は僕の理性を溶かしていく。 ようやく、ようやく、ようやく、 隼鷹の唇は僕から離れて行った。 足がふるふる震える。 「ああ…」 情けない声が漏れる。 「ふっふーん。提督、さっきの威勢はどうしたのさ~。…ちょっちからかいすぎたかな…。」 隼鷹は僕をそのまま押し倒した。 隼鷹顔が近づく。キスのときは意識してなかったからわからなかったが顔が真っ赤だった。 ただ単に泥酔してるからか、それとも。 「提督さ、アタシのこと、どう思ってるの嫌い?」 僕は何か言おうとしたがあいにく頭も舌も回らない。 「アタシはさ、提督のことキライじゃないよ…?最初はさ、ナヨナヨしててあんましだったけど 結構命令とか的確だし、出撃のときもなるべくアタシたちを危険にさらさない采配してるし、気づいたら横目で追ってるアタシがいて… こんなのアタシのキャラじゃない!って思ったんだけどさ。なんでかな。」 隼鷹はつづける。 「何度も自分の思いをぶつけようとしたよ?でもさ、なかなか前に踏み出せなくって、いつもみたいにからかっちゃって…。 今日チャンスだと思ったんだよね。大きな作戦があるって聞いたからさ、たぶん二人っきりになれるかなって。 私がいなくっても飛鷹がいくならそっちも多分大丈夫だしさ。寝坊なんて嘘。むしろ寝れなかったぐらい。」 つづける。 「提督、だいすき。」 隼鷹のこんな顔初めて見た。 いつもの飄々とした面影などどこにものこってない。 顔を上気させて、眉を八の字にして、目をうるわせて、声はとてもたよりない。 僕は股間が熱くなるのを感じた。 僕の主砲はギンギンに張りつめていた。 隼鷹もそれに気づいたようだ。 隼鷹は子供の頭をなでるようにズボン越しに僕のそれをなでた。 まずい。非常に。 「提督、ここ苦しそう…。アタシがやってあげるよ…」 隼鷹は僕を押し倒している状態から後ろへずれて僕の股間に顔を近づけ、ファスナーを開けた。 肉欲の権化がびいいいいんと飛び出す。 「わ…おっき…こんなに」 「初めてなのか…」 「悪い…?」 「あの無駄に慣れてたキスは?」 「飛鷹とやってたから」 なにやっとんねんこいつら。 隼鷹は一瞬戸惑っていたが意を決したようにソレを口にふくんで、、しごきはじめた。 「ん…ちゅ…んんん…」 さっきのキスのような積極性はどこへやら、未知との遭遇にすっかりダメになっていた。 「無理するなよ」 「無理なんか…ちゅうううう…」 しかし、センスがいい。もう慣れてきたようだ。 「ーーーーーぢゅう、ぢゅ、ちゅ、じゅるうう、んっ…っうんっ…ちゅううう…はあああ…ひもちいい…?」 「ああ、いいかんじだ……あーイキそう…。」 「んちゅ、ちゅ、い、イふってなに…ん、ンんんんんーっ!」 ナニから口を離さなかった隼鷹に精をぶちまけた。 「ええええ…にがいいいい~…」 「まってろ、ティッシュティッシュ…」 「はやくぅ…うううううううう!!!」 隼鷹、本日バケツ六個目の消費であった。 「もう、今日はキスできないね…」 「そうだな。」 「ねえ、その、返事、きかせてよ」 「うれしいよ。けどな、出撃をバックれるはよくないかな。」 「やっぱ…そうだよね」 「僕はお前の態度は気に食わないが、実力はかなりのものを持ってるとおもう。今回の作戦だってお前と飛鷹を中核として戦う予定だったんだよ。 代わりは龍驤がうけもったけど、まだ彼女は発展途上だし正直不安なんだ。僕は出撃を取りやめたかったが軍の命令には従わなければいけないからね。」 「ごめん。」 「沖ノ島は敵艦にすごい戦艦がいるらしいんだが。龍驤、大丈夫かな。」 「ごめんなさい。」 「一人身勝手な行動をとるとと全員が危険な目にあうんだ。クサイ台詞になっちゃうけど僕たちは一つにならないと敵に勝てないんだよ。」 「ごめんってば…」 「だからやっぱり軍規にそむいた隼鷹さんには僕自ら罰を与えないといけないかな…。」 「え…」 今度は僕は隼鷹を押し倒した。 服のひもをほどき胸を露出させる。 隼鷹は無抵抗だった。 「んんっ、はずかしいよお…」 大きさと美しさを兼ね備えた素晴らしいおっぱいだった。 やはり空母の母性あふれるおっぱいは最高だぜ!龍驤…?しらない娘ですね…。 いてもたってもいられず僕はひとつ、口にふくみ、なめる。 「やあぁ…ぁいや…ひゃ…」 甘い吐息が漏れる。 もう片方のおっぱいも手でいじくる。 「ん…おっぱい、いい、きもち、いい、よ」 甘噛む。強くつまむ。 「きゃゃあ!…んっふうんんああああああああああ」 これぐらいでいいだろう、次は…。 隼鷹のからだのすべてが露わになった。 下半身もまた、きれいだった。 足は長く肉つきがいい。それに秘部には毛が生えてなかった。処理しているのか、天然か。 「ていとくぅ……。」 秘部からとろりと液がこぼれた。 僕はそれを舐めとる。 むわりと女肉のかおり。 「んんいいいいいいいい!!!!」 少し舌でふれただけで物凄い感じ様だ。 このままクンニもいいと思ったが、ある名案を思いついた。 空母だからできること…。 「隼鷹、お前今飛行機だせる?」 「はあ、はあ…え?なんで」 「いいからさあ」 隼鷹は脱いだ服と一緒に置いておいた巻物を開き、一機、手のひらサイズの天山を生み出した。 「だしたけどどうするの?」 「こうするんだ。」 僕は天山を隼鷹の秘部に押し当て、発動機を入れた。 天山の火星エンジンがうなりをあげる! ぐうううううううううううううん!! 「ひゃあああああああああああああああん゛ん゛ん゛ん”ん”ん”ん”んんんんんんんんんんんん!!!」 プロペラが体に当たらないように気をつけて… 「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”びいいいいいいいいい!!!!!!」 腹の燃料タンクをくいこませるように… 「ひぐううっ、、いくぅいくいっちゃあああああああああああああああああ、、はああああああああああああああああああああ!!」 隼鷹は体を反りかえらせ盛大に果てた。 大量の愛液が僕にかかった。 天山は水没してこわれた。 「はあ…はあ…はああああ…じゅる…」 隼鷹はもはや虫の息だった。 目は虚ろ。涎は垂れ流し。 体はびくびくと痙攣している。 だが僕の一転攻勢はまだ終わらない。 先ほどの乱れっぷりをみせられ僕の主砲はもう戦闘モードだ。 「夜戦では空母役立たずだから…乗り切る訓練がいると思うんだよ。」 「あ…うん…きて、へぇき…だからぁ」 まわらない呂律は僕をますますその気にさせた。 「いくぞ。」 ず…ずずず。。。ずん。 大量の愛液が潤滑油となりすんなりと隼鷹は奥まで僕を受け入れた。 「んっはああ…あああああん」 結合部からあふれる液の色に赤が溶け込む。 「初めてなんだろ…大丈夫か?」 「へぇきだから…動いてもいいよ」 なんて健気! 「じゃあ、動かすぞ」 いろんな液体が混ざり合ったずるずるしている。 奥まで差し込まれたソレを途中まで抜いて、 「んんん…」 差し込む。 「ひぃいん!!」 はやく。 「んっ!!んんっ!!はああっ!んひっ!!ひゃあっ!!んんっ!!」 もっと。 「はひっ!いいっ!いいよっ!きもちいぃ…っ!もっと!もっとおぉ…」 はげしく。 「はげっ!提督っ!はげしっ!!提督っ!ていとくぅ!んんんん!!!!」(禿げ提督?) やばい。止まらない。もう隼鷹、を犯すことしか考えられない。 ただ、機械的に、う、ち、つ、け、る。 「んんっ!!ははああ!!いいやあ!…動っひいいん!」 猛烈な射精感がせまるるる!! 「あぁあっぁあ!好きぃっ、てーとくすきぃ、ひゃあああ!」 「っく、射精すぞ!」 「きてっ、きてっ、、あたしも、もうっ、無理!んん!いくううううううううううううううう!!!」 「只今戻りましたていと…。」 「あ」 飛鷹…!!!!! くそ!射精コントロール! せず。 「はああああああああああああああああああああああああああああああんん」 「えーと、戻るの早すぎじゃない?」 「陸奥さんの第三砲塔が謎の爆発をおこしまして大破、さらに、その爆発に扶桑姉妹が巻き込まれてお互い中破。やむなく撤退しました…。」 あら、あらあらぁ 不幸と踊ちゃったか…。 「それよりですよ?なーにやっちゃってんですかね。裸で。」 「あ…そのーこれはねー…」 「隼鷹のこんな顔や声初めて…。こんの破廉恥提督ー!」ポーン ああ!飛鷹の頭からエレベーターが! おわり
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380 :名無しの紳士提督:2015/12/25(金) 22 17 00 ID F.hV5l7U どうも、いつも鳥海のSSを書いている者です 今日はクリスマスなので二つ投下します 一つ目は別世界観での鳥海の話です 今まで投稿した鳥海のお話とは内容が違います 独自設定も満載です NGは『ここにいる理由』でお願いします 381 :ここにいる理由:2015/12/25(金) 22 17 39 ID F.hV5l7U 12月25日はクリスマスである。 家族で過ごす日という認識もあるが、 日本では恋人同士で過ごす日という認識が強い。 ほとんどの独身者はクリスマスを一人で過ごしているだろう。 まあよくて友達や同僚と過ごすか。 俺はというと部下と二人きりで過ごしていた。 いや、そういう言い方は少し違うかもしれない。 俺達は深海棲艦との戦いの後始末をしていた。 数年前の8月15日、深海棲艦という謎の存在が突如現れ、世界を恐怖に陥れた。 それを完全に討ち滅ぼしたのはクリスマスから17日前の12月8日の事である。 それは74年前、日本が世界を巻き込んで一度破滅へと向かいはじめた日であった。 そして今、破滅へと向かっていた世界を日本が救った日でもあった。 「……さん……司令官さん……」 「ん…」 「起きましたか、司令官さん?」 「あぁ………はっ!?」 「大丈夫ですか司令官さん」 「すまない、寝てしまったよ」 鳥海という秘書的な存在の声に俺は目を覚ました。 眼鏡をかけた彼女は秘書というイメージがぴったりだろう。 服装が全然秘書っぽくない事は忘れよう。 「仕方ありませんよ。ずっとお仕事していたんですから。 最近もあまり寝てないのでしょう?」 「夜遅くまでやっていたからな」 「司令官さん…いつもお疲れ様です…」 「ありがとな鳥海」 戦いの後始末に追われていた俺を鳥海が労ってくれた。 「ふぅ…………ったく…もう終わるだろうと思っていたのに、 まさかミスがあったなんてな…… もう鳥海一人で十分と判断したのはミス判明前だけど、 慢心せずに他のみんなにも手伝ってもらえばよかったかもしれん」 「ごめんなさい、私の力が及ばず……」 「君のせいじゃないさ。それよりも仕事の続きを…」 「大丈夫です、もう終わってました」 「終わってた……ああ、私の分は終わらせて気が抜けて寝てしまったか。 本当は君の手伝いをするべきだったのに…すまない…」 「気にしないでください、司令官さんはお疲れだったんでしょう? 私が司令官さんに迷惑をかけるわけにはいきませんから……」 「本当にありがとう、鳥海……まあ仕事が完全に終わっても寝るしかなかっただろう。 そもそもクリスマスに仕事があろうがなかろうが俺にはほぼ関係なかったし」 そう。独り身の俺にはクリスマスなんて関係ない。 寂しいかもしれないけど、殊更ひがむ気もない。 「あの……司令官さんはもし今日仕事が早く終わっていたらどうしていましたか?」 「どうしていたかな……深海棲艦との戦いに全力を尽くしていたから恋人なんていないし…… むしろ仕事があって君が手伝ってくれたのが皮肉にも異性と過ごせたという事に繋がったな」 「異性と……」 「あ……」 しまった。つい口が滑ってしまった…… 「鳥海、その…それは……」 「……あの………司令官さん。もし仕事がミスがなく終わったら…… これからの時間も一緒にいてよろしいでしょうか?」 「え……?」 女性からクリスマスを一緒に過ごそうと言われたのは 30年近く生きてきて初めての事だった。 恋人同士という関係にあったわけではなかったのだが、 俺には恋人なんていないし、鳥海にも恋人はいない(はず)。 「……ああ、いいぞ」 「ありがとうございます」 俺は鳥海の誘いを受け入れ、その返事を聞いた鳥海の顔は嬉しそうだった。 その鳥海の顔を見た俺は遠い過去に抱いたある想いを心の中に蘇らせていた………… 「なあ鳥海、お前、どういうつもりだ……」 「どういうつもりって……夜戦、ですよ」 あの後仕事は何のミスもなく完全に終わった。 俺は鳥海を自分の部屋に誘ってみて、了承したので連れて行った。 そして一緒にケーキを食べたりして過ごしていたが、 鳥海がベッドに腰掛けて服をはだけさせながら、 少し恥ずかしそうに俺を誘うような行動をしてきた。 「クリスマスに男女が二人きりでいてすることといえば、こういうことじゃないのですか?」 「確かにそうかもしれないけど……でも…」 「私はかつて司令官さんに命を救われました。だから夜戦で少しでもお返しできれば……」 「助けられたって…だけど君は深海棲艦との戦いで俺の期待に応えてくれたじゃないか」 「そうですけど…でも、あの時司令官さんを不安にさせちゃいましたから…… 大破しながらも出撃しようとした私を『俺はもう大切な人を失いたくない』 って言って引き止めようとしてくれていましたから」 「あ…ああ……」 確かにあの時の俺は大切に想っていた人を何もしなかった為に『また』失う事を恐れていた。 「だから司令官さんも私のことが好きなんだなって思ったんです。司令官さん、そうでしょ?」 「ああ………確かに俺は君の事が好きだ………」 「よかった……」 鳥海の表情は安堵の表情だった。少し暗さも感じたが…… 「だったらしましょうよ。しない理由なんてないでしょう」 「だけど…」 「もしかして自信がないのですか?」 「自信がない…確かにそうかもしれない。君を苦しめてしまわないかって思ってしまってな。 俺は女性とそういった事なんてした事ないからわからなくて……」 「司令官さん、経験なかったのですか!?」 鳥海が凄く驚いた表情をしながら声をあげる。 「ないさ。意外に思うかもしれないけどな」 「本当に意外です。司令官さんは結構スケベなところがありましたし」 俺が割とスケベな事は大抵の艦娘は知っている事だ。 同僚の若い提督達と猥談していたのを青葉に聞かれていて、 そこから艦娘達にも知れ渡ったからな。 幸いな事に日頃真面目に仕事をしていた為か、 艦娘達からは呆れられる事はあれど幻滅される事はなかった。 特に鳥海がこんな俺を軽蔑しなかった事は素直に嬉しかった。 「確かに経験はないがそれくらいで怖じけづいたりはしないさ。 それくらいで君とするのを諦めたりはしない」 「じゃあ私としてくれないのは私が人間じゃないからですか……?」 人間じゃない………… そう、鳥海は人間ではない。艦娘という存在である。 艦娘…………それはかつての世界大戦を戦った軍艦が悠久の時を越えて蘇った存在である。 なぜ人間の女の姿になったのか、それはわからない。 だが、なぜこの時代に蘇ったのか……それは深海棲艦という存在を討ち滅ぼす為と言えるだろう。 深海棲艦は艦娘が現れる少し前に突如現れた存在である。 深海棲艦は艦娘とは違い、人間の姿だけではなく、不気味な化け物の姿をしたものもあった。 その力は恐ろしいものだった。破壊力こそ70年前の兵器レベルであったが、 軍艦とは違い人間とほとんど変わらぬ大きさでそれ程の破壊力を持つ存在は脅威であった。 だが深海棲艦の一番恐ろしいところは我々のあらゆる攻撃が通用しない事だった。 破壊力で勝る近代兵器も精々相手を吹き飛ばしたり足止めをしたりするのが精一杯で、 深海棲艦に傷を付ける事は不可能であった。 そして人類は制海権も制空権も失い、 生まれ育った大地すらも深海棲艦によって破壊されていった。 そんな絶望の中、艦娘は現れた。 彼女達は70年前の艦船の生まれ変わりを自称していた。 人間達も最初は彼女達の事を信じられなかったが、 人類に対して敵意を持つ者はなく、 70年前の戦争を生きた人間達の証言等も彼女達の語った事と同じ部分があった為、 彼女達に対し訝しがれど悪意を持つ者はいなかった。 もっとも、それは深海棲艦を唯一討ち滅ぼせる存在である事が一番の理由かもしれない。 深海棲艦を討ち滅ぼし続ける彼女達を見てそんな事言ってる暇なんてないと思うだろう。 かくして、艦娘と人類の連携によって深海棲艦は完全に滅びた。 だが深海棲艦が滅びた事により艦娘達はその存在理由を失ってしまったかもしれない。 そして深海棲艦と戦う為に現れた艦娘は、 深海棲艦滅亡と共にこの世界から消えるのではないか…… 確かな答えこそなかったが、そう考える人間も艦娘もたくさんいたのだった………… 「それも違う………とは言い切れないかもしれない。 心のどこかでそう思っているかもしれないから。 けどそれも違う。俺が君の誘いに応えられないのも… …俺が君を愛していいのかと不安になってしまうのも…」 「不安?どういう意味ですか? 別に誰かが誰かを愛することは、 迷惑さえかけなければいいんじゃないんですか?」 「…………」 口が滑った…かもしれないけど、喋らなかったところで複雑な想いを抱いたまま生きていき、 いずれすれ違いの元になってしまい、悲しい事になるだろう。だから俺は覚悟を決めた。 「……聞いてくれないか……」 「え…………はい……」 鳥海の顔が真剣な顔になった。俺は言葉を続けた。 「俺が君を好きになった理由…… それは俺が昔好きだった人と君がとても似ているからなのかもしれない……」 「…………」 「……その子は俺が物心ついた時から……好きだった幼馴染の女の子だった…………」 俺は思い出したくない……楽しかったからこそ、今思い出す事が辛い事を思い出しながら続けた。 「ずっと一緒で……それが当たり前だった…… 俺は馬鹿で…あの子に色々としてしまったけど……それでも時間が経てば仲直りしていた…… 俺は…それに甘えていたんだろうな……変わらない日常……… ある時もちょっとした軽口を言った。 怒っていたけど、また仲直りできるって思って謝らなかった。 だけど………それが繋がっていた絆を断ち斬ってしまったんだ。 卒業式の時も仲直りする事なく喧嘩別れしてしまった。 住んでる所が一緒だからまたいつか会えるだろうって思っていた。 でも……二度と会う事はなかった…………」 「…………」 鳥海の顔が少し驚きと悲しみ混じりになった。 「俺は後悔したよ…………どうしてあの時すぐに謝らなかったのか…… なぜ人の気持ちがわからなかったのか……やりたかった事がたくさんあったし…… ずっと一緒に生きてきた彼女と…もっと色んな事をしたかった……けど、もう……」 「…………」 鳥海は何とも言えない複雑な表情をしていた。 「…………すまない、こんな事を言って…でも君の姿は本当に初恋の子に似ていて、 俺が君を好きになったのもそのせいなんじゃないかって思えて、 君と一緒にいるのは俺が初恋の女の子と出来なかった事を 君を代わりにして行う自己満足なんじゃないかって…… だから俺には君を愛する資格なんてないかもしれない…… 君をかつて好きだった人の代わりに愛してるかもしれないって知られたら、 愛想尽かされるんじゃないか…… あの戦いが終わってからそう考えてしまうようになったんだ……」 「…………そうやって勝手に思い込んで諦める。それが自己満足なんじゃないんですか……」 「な…」 鳥海の口から出た言葉はあまりにも意外な言葉だった。 「だってあなたの言っていることは、あなた自身のことしか考えてないんじゃないでしょうか。 自分で勝手に怖がって、私の気持ちとか、全然考えてるようには思えませんから……」 「…………」 そう言われればそうなのかもしれない。俺は何も言い返せなかった。 俺は昔から自分の中でばかり考えてしまい、 相手を自分に都合よいように善く解釈したり悪く解釈したりしていた。 相手の気持ちがわからなかったし、面と向かって聞くのが怖かった。 自分の気持ちを相手に知られて、そのせいで相手との関係が壊れてしまう事を恐れ、 そのせいで相手に誤解されてしまい関係が壊れてしまった事もあった。 その反省のつもりで今は正直に言ったがそのせいで駄目に…… いや、諦めるかよ。鳥海は俺の事を好きだと言ってくれた。 なら、俺が鳥海に諭されて間違いに気付いたと言おう。そう思って… 「……でも私も自分勝手なのかもしれませんね」 「は?」 鳥海に謝ろうとしたら意外な事を言われたのだった。 「艦娘がこの世界に生まれたのは深海棲艦を倒すためかもしれない。 だから深海棲艦を倒してしまった今、 役割を失った艦娘はじきに消えてしまうのではないかと思って…… だから私は司令官さんの大切な人という役割を得てこの世界から消えてしまわないようにした。 そう、私だって自分の勝手な都合で異性を利用しようとして…… こんな酷いことしようとした私なんて……」 鳥海は己を責めていた。まるでかつての俺みたいに…… 確かに酷いかもしれない。けど俺には一つ気になる事があった。 「鳥海、俺を利用してまでこの世界に残ろうとした理由は何なんだ?」 「理由…ですか……あなたに助けられた恩返しがしたかったからです。 私は数十年前に艦としての生涯を終え、 そして長い眠りの後に艦娘としてこの体でこの世界に再び生まれました。 どうやって、何故艦だった私たちが艦娘という存在として蘇ったのかは私や他の艦娘…… そして人間たちの誰もわからない。 だけど私は蘇ってすぐ、何故生まれ変わったのかという疑問を深く抱く時間もなく、 深海棲艦という存在を見てそれが敵だと本能的に思って戦いました」 鳥海の話を聞けば艦娘は深海棲艦と戦う為にこの世界に蘇ったと考えるのも不思議ではないだろう。 「そう、あの時の君はこの世界に蘇ったばかりって言ってたな。 なんにせよあの時君が俺を助けてくれなかったら今俺はここにいなかったよ」 俺はかつて海で深海棲艦と直接戦っていた。志願したわけではなく徴兵的な形で戦士にされたのだ。 鍛えた戦士達は深海棲艦との戦いで海に散っていったり、 生き延びても再起不能だったり長い入院生活をするハメになったりしていた。 そんなわけで戦力はどんどん減っていき、戦いの素人さえも戦場に送られていった。 しかし戦える力のある者達ですらまともに戦えないのに、 付け焼き刃で素人同然な人間が戦える道理ではなかった。 技術的な進歩こそあれど深海棲艦撃破という事だけはどうしても不可能だった。 俺も深海棲艦と戦ったが駄目だった。周りの艦が次々と沈んでいく中、 俺の乗っていた艦も被弾してついに死を覚悟した。 だがその時だった。俺の艦を狙っていた深海棲艦が突如吹き飛んだ。 鳥海が砲撃したからだ。それが俺と鳥海の出会いだった。 普通は人が海に浮いていれば驚くだろう。 だが俺には鳥海が女神に見えた。深海棲艦を撃破したというのもある。 彼女によって深海棲艦は撃破された。彼女は俺の乗っていた艦に招かれた。 彼女を間近で見た時俺は一緒驚いた。俺がずっと想いを抱いていた少女と似た雰囲気だったからだ。 髪の長さや胸の大きさこそ違っていたが、 俺が小さかった頃に抱いていた想いと似たような想いが芽生えていた。 「だけど、私が敵を全て倒したと思い込んで確認を怠ったために 隠れていた敵の私への攻撃からあなたが私をかばって大怪我をして…」 「気にするな。今生きてるからそれでいい。 それにあの時君をかばわなかったら君も俺もみんな死んでいたさ」 あの時の俺は他人を助けたというよりも半ば死に急いでいたという感じがした。 もちろん死にたいと思ってやったわけではない。 今まで人の役に立てた記憶がなかったから、 死ぬとしてもそれが他人の為になるなら、って感じだった。 実際鳥海を助けた理由も好きだった人に似てたからではなく、 深海棲艦を倒した彼女が無事なら彼女が深海棲艦を倒し、 生き残っていた者達や、世界を助けられるかもしれない、 だから自分が犠牲になる事になっても構わないと思ったからだ。 鳥海を庇って深手を負う事になった俺は、 鳥海が深海棲艦の生き残りを撃破したのを見てそう思って意識を手放した。 まあ幸いにも命に別状はなかったらしく俺は何とか生き延びた。 しばらく安静にしていれば動けはする状態だったからまた戦場に送られるのだろうと思っていたが、 俺達が鳥海と出会った前後に各地で他の艦娘と邂逅したとの報告が多数あり、 その艦娘達が集まって艦隊を結成し、人間ではなく艦娘が戦いの主役になった。 艦娘の運用は人間達の艦隊の運用とは勝手が違う為、 指揮経験を持った者と素人との差がほとんどない状況だった。 俺は他の者達と共に艦娘の指揮方法を模索しつつ猛勉強した。 結果、俺は艦娘を指揮する『提督』になった。 そして俺は艦娘や世界中の人々の命を預かる者の一人として深海棲艦と戦ったのだった。 「だからさ、あの時は互いに助け合っていた形だから、俺だけが君を助けたなんて…」 「……深海棲艦との最後の戦いの日、私は命を落としかけました」 「え?ああ……」 いきなりの言葉に俺は思わず驚いた。 「あの深海棲艦が鎮守府を攻めようと迫っていた日、 私は傷付き疲れ果てていて、艤装もほとんど破壊されていました。 それでも……傷付いた艦娘達の中では私が唯一戦える力を持っていました。 だから無傷だった他の艦娘達と共に深海棲艦を迎えうったのです。 司令官さんの引き止めも無視して……」 「そうだ。君が傷付いた体で出撃して、もし何かがあったらと思ったらつい……」 「そして私は奮戦したもののあと一歩というところで沈んでしまった……」 「あの時は本当にもう終わりだと思ったよ……」 「私もそう思いました。 でも…………薄れゆく意識の中、私の脳裏に様々なものが浮かんできたのです。 司令官さんの姿……それも司令官さんの小さかった頃の姿が。 そして司令官さんがたくさんの人達と楽しく遊んでいた思い出が…… その中で一際大きく鮮やかに輝いていた、私に似た少女の笑顔……………………」 「…………」 「その時…出撃前に司令官さんから言われた言葉が頭に響きました」 「……確か………『大切な人をもう二度と失いたくない』って、あの時君に言ったんだったな……」 「ええ。その言葉と…私の脳裏に浮かんだ、私に似た少女の姿…その二つが結び付き…… どんな事情だったのかわからないけど、 あなたは昔好きだった人と一緒になれなくて、その事が心残りとなっていて、 もし私まであなたと永遠に別れてしまう事になってしまったら………… そう思うととても悲しい気分になり、ある思いが芽生えました。 この人を支えたい……悲しませたくない………もう独りにしたくない…………」 落ち着きながら喋っていた鳥海だったが、その声に徐々に感情的になっていった。 「そう思っていたら…私の傷付いた身体が癒され、壊れた艤装も蘇りました。 そして、改二になれなかった私が、ほんのひと時とはいえ改二になれた…… もしかしたら、あなたへの想いが、きっと奇跡を起こしたのかもしれません」 「……確かにあの時の事は本当に奇跡だったのかもしれないな」 「私も驚きました。あんなことが起こったことに…… でもあなたへの想いが私を再び蘇らせ、深海棲艦を打ち倒させてくれた。 そして深海棲艦との戦いを終わらせてくれた…… そう、あなたが私を…いえ、世界中の人々を救ったんです」 世界中の人々を救ったのはあくまで結果論だ。 鳥海があのまま沈んでいても、他の艦娘が深海棲艦を倒していただろう。 だけど鳥海を救った事……それは間違いなく俺が救ったと言えるのかもしれない。 「だから私は救いたい。私を、世界を救ってくれたあなたの心を…… あなたの心の中にいる大切な人……その人と出来なかったこと、やり残したこと…… その未練のすべてを私が受け止め、再び立ち上がらせてあげたい。 人ならざるものだった私が人の……女性の身体を持ってこの時代に蘇った。 それも、あなたの心の中にいる大切な人の面影を持つ少女として…… それが私に与えられたもう一つの運命なのかもしれません」 運命…か。重巡洋艦鳥海の進水日は俺に命を与えてくれた人の一人がこの世に生まれた日… 重巡洋艦鳥海の戦没日は俺に命を与えてくれた人の一人に命を与えてくれた人がこの世を去った日…… 偶然かもしれないけど、数々の偶然は重なると運命となるのかもしれない。 理屈になってないかもしれないけど……鳥海は俺の大切な人の全てだと、そう言える気がした。 「深海棲艦を討ち倒す艦娘としての運命、そして…… あなたの悲しみを癒す者として……だから…………」 俺を見つめる鳥海の瞳はまるで全てを貫く蠍の心臓のアンタレスのように紅く輝いていた。 彼女が俺を想う気持ちは間違いのないものだろう。 たとえ自分が誰かの代わりとしてしか見られなくとも、 抱いた想いを最後まで貫き通すだろう。 そこまで覚悟を決めた彼女を俺が拒むなんてできやしなかった。 「…………ありがとう……鳥海…………そこまで俺を想ってくれて……」 「司令官…さん……」 「君が俺を想っているから消えたくないと思う気持ちと同じくらい 俺も君に消えてほしくないと思っている。 俺は君と一緒に生きていきたい、君と幸せになりたい。 君と一緒にいつまでいられるのかはわからない… けど!俺はもう後悔なんてしたくない!何もやり残したくない!だから…」 「ありがとう…好きです……ん!」 「ッ!?」 言葉を紡ごうとしたが言葉で遮られ、紡ぎ直そうとしたら唇を閉じられた。 だがそれは拒絶の意味ではなかった。 目の前に彼女の顔があった。彼女は自らの唇で俺の唇を塞いでいたのだ。 柔らかくて、温かくて、きっと人間のそれと本当に変わらないような………… 俺のドキドキは止まることなくどんどん加速していった。 これからの事に期待するかのように………… 「もう……準備は出来ています…いつでも…いい…です……」 鳥海は俺が少しでも早くできるようにしようとしたのか自分で自分を高めていっていた。 確かに俺には経験がないが…いや、何も言うまい。 俺は鳥海が指で開いた秘部を詳しく見る為に顔を近付けた。 「…おかしく…ない…ですか………」 鳥海は少し震えた声で聞いてきた。 経験のない俺には正しいのかどうかはわからなかったが、 本等で見たものとそれほどの違いは見られなかった。 俺が言うのもあれだが、経験のない処女のそれっぽかった。 「多分……な……」 「そう………」 「鳥海………挿れるぞ…………」 「…………」 鳥海は軽く頷くと眼を閉じ、力を抜いて受け入れようとしている風に見えた。 俺は熱く、硬くなっていたちんちんを手で添えながら 鈴口を鳥海の膣口にキスさせるように当て、入れようとした。 しかし入らなかった。ちんちんの先端は鳥海の大切な場所の入口、 そこを護る清らかなるヴェールに阻まれた。 その瞬間、とてつもない射精感が俺の股間に込み上げてきた。 今までの自慰での経験上それがもはや止められない事はわかっていた。 俺は外で出すわけにはいかないと思いっきり鳥海の膣内に突き入れた。 プチッ! 「くぁっ!?」 全力で突き入れたからなのか、高い音をたてて処女膜が敗れたような音がした。 俺はほぼ一瞬で鳥海に根本まで飲み込まれる形で最奥まで辿り着いた。 膣内の感覚は人生の中で今までに感じた事がないくらい温かくて気持ちのいいものだった。 だがそれを感じでいる暇はなかった。鳥海の膣が更にきつく締め付けてきたのだ。 異物挿入に備えて身体が阻止しようと勝手に反応したのかもしれないが、 俺の突き入れがあまりにも速く、逆に入ってきたものを離すまいとした形になっていた。 もはや射精寸前だったとはいえ、 それによってもたらされた気持ちよさは俺の射精を更に早めたのだった。 びゅるん それは解き放たれた。 期せずして一ヶ月ほど溜め込んでいたからか、 自分でもかなりの粘度を感じた。 びゅるっ…びゅるっ…びゅるっ… 凄く…気持ち良かった。尿道を駆け抜ける快楽と、 ちんちんが粘膜を押し広げるように膨らむ時に感じる快楽が…… びゅるっ…びゅるっ…びゅるん… 粘膜と粘膜が触れ合っている感触がこれほど気持ちの良いものとは思わなかった。 気持ちいいだろうとは思っていたけど、それは射精の時の律動くらいに思っていた。 びゅるん…びゅるん…びゅる… まだ出てる……まるで俺がずっと吐き出さずに内に押し止めていた想い、 それを全て吐き出すかのように…… だけど、その想いは鳥海への想いではない。 鳥海に似た、かつて俺の心の中にいた大切な人への想い… それを鳥海への想いに乗せて解き放っているのかもしれない。 びゅる…びゅる…びゅる…びゅる… ここまで…ここまで溜め込んでいたのか……それを鳥海は受け止めてくれていてくれる… それが、本来自分へ向けられなかったかもしれないものだとしても…… びゅる……びゅる………びゅ…………びゅ………… 俺は快楽に酔いしれながらも様々な事を考えていた。 びゅ………………びゅ…………………… やっと射精が終わった。思えば自分だけ気持ち良く………鳥海は!? ほとんど自分の世界にいた俺は鳥海の心配なんてしてなかった。 俺は鳥海の顔に目をやった。鳥海の顔は少し虚ろだった。 「鳥海……」 俺は言葉に力が入らないながらも思わず呼び掛けた。 すると鳥海はこちらに反応して俺の顔を見た。 「………終わった……の…………?」 「…………」 俺は鳥海の問い掛けに隠す事なく正直にただ頷くだけだった。 俺だけ勝手に気持ち良くなったんだ。 文句言われたり責められたりしても仕方ないだろう。 しかし鳥海は俺に対して笑顔で答えた。 痛みを耐えるかのような感じではあったが、確かに笑顔だった。 「ありがとう…………」 俺も少し笑顔になりながらもそう言って感謝の気持ちを表し、 そしてそのまま意識を手放した………… 俺は目が覚めた。覚めたとはいっても瞼はまだ閉じていた。目が覚めたのは重さを感じていたからだ。 俺は目を開いた。そこには鳥海が俺の目の前にいた。俺は仰向けのまま、鳥海に乗られていたのだ。 「ふふっ、起きましたか」 「鳥……か……………うおっ!?」 意識がはっきりしつつある中、鳥海が裸であり、俺も裸であり、 二人のあそこが結合していて、少し赤く汚れているのに気付いた時、 俺の意識は完全にはっきりとした。 「あ、そ、その……き、昨日はすまない!」 俺は昨日の事について謝った。 「初めてだったのでしょう?仕方ありませんよ」 「そ、そうじゃなくて…いや、それもそうだけど、 自分だけ勝手に気持ち良くなったあげく寝てしまって……」 俺は本当にすまない気持ちだった。 「最近お仕事ばかりでまともに眠っていなかったんでしょう。仕方ありませんよ」 「けど…」 「それに、あなたの寝顔、とっても安心しきった感じで、穏やかな顔でした。 少し前に仮眠していた時は、穏やかでなくて、 険しい顔をしていましたから…心配してましたよ……」 「そうか…心配かけてごめんな」 「でももう大丈夫みたいですね。何だか昨日までと比べて元気な気がしますし、 それに………こっちもとっても元気です…………」 「ん………」 鳥海が結合部の方に目をやった。俺は勃起していた。 「あ……これは、だな…男特有の…」 「わかってます。でも昨日はすぐに終わっちゃいましたし、だからもっと楽しみましょう。 あなただってもっと気持ち良くなりたいでしょうし。 ふふっ、大丈夫ですよ。昨日からずっと私の中にあなたがいましたから。 だから激しく動いたりしても……ね」 「……鳥海がそう言うのなら!」 俺は鳥海が下になるように体勢を変え、早速腰を動かした。 激しく、と所望していたがさすがに最初からそうするのはどちらにもつらいと思い、 まずはゆっくりと動いた。 「うぅ……ん……」 「鳥海…」 「大丈夫…あまり痛くない…です…」 鳥海はそう言ったが少しだけ苦悶に満ちた表情だった。俺はスピードを落とした。 鳥海の顔から苦しみが少し消えた気がしてそのまま続けた。 しばらくして滑りがよくなってきた気がしたのでまた少しずつペースを上げた。 じゅぷ……じゅぷ…… 膣内が濡れてきたのか水音も立ってきた。 その音が俺を更に興奮させ、腰の動きを早める。 俺は求めた。まるで心に残る思い出を作ろうとするかのように。 艦娘はいつ消えるのかはわからない。 明日どころか下手したら次の一瞬にも消えてしまうかもしれない。 しかしもしかしたら考えが間違っていて、艦娘は消えたりしないかもしれない。 どちらにしろ根拠なんてものは何もない。 楽しい思い出があれば後で苦しくなった時に余計につらくなる。 だけど、何もしなければ、何もしなかった事を後悔するだろう。 どちらにしろ後悔するのならやるだけやる。 俺は心の中の欲のままに動き続けた。そしてその時はまたやってきた。 「鳥海っ…もう…出る…」 「っ…ええ…来てください………全て受け止め…」 ドクン! 鳥海の言葉が終わらない内に射精してしまった。 びゅーっ、びゅーっ 一晩経ったとはいえ二回目の射精。最初の時よりも勢いがある気がした。 「くぅ…ん……うぅ……」 「ぁ…ぁぁ……ぁ……」 俺は我慢なんてしなかった。ただただ奥に腰を押し付けていた。 少しでも『今ここにいる』鳥海に子種を植え付けるかのように…… 艦娘が人間の精子で受精し、着床して、子を成せるのかどうかはわからない。 それでも……それでも俺は今、心から愛している女性との間に子供が欲しかった。 俺と鳥海が愛し合った証…鳥海を繋ぎ止めるもの…鳥海がこの世界にいた証…… 僅かな希望を信じ、俺は鳥海に全てを吐き出していた。 鳥海もきっと、俺と同じ事を考えながら、欲望とも言える愛の全てを受け止めていた。 「ん……あ………お腹の中………あなたので…暖かい………」 長い射精が終わった。鳥海の顔は昨日と同じく嬉しそうだった。 自分のお腹の中に感じる暖かな感覚…… それが自分が今生きていると彼女に実感させているのだろう。 とりあえずこれでひとまずの終わり…… かと思ったら射精が終わったにもかかわらずちんちんは硬さを保っていた。 「鳥海、もっと…」 「もっとください…」 俺も鳥海も求める気持ちは一緒だった。 俺は今目の前にいる女性を愛する事しか考えてなかった。 俺はまた動こうと腰を引こうとした。が、引けなかった。 鳥海が脚でがっちりと締め付けていたからだ。 俺は鳥海と目を合わせた。鳥海が少し恥ずかしそうな笑顔をしながら脚を解いた。 俺は再び…いや、三たび彼女を愛しはじめた………… そして、それから半年が過ぎた………… 「あの戦いからもう半年も経ちましたね……」 鳥海は今も俺の傍にいた。 「ああ……鳥海、さすがにこんな体でそんな格好はどうかと思うぞ」 「摩耶の言う通りね。いくら艦娘鳥海としての正装とはいえ、お腹を出すのはまずいわよ。 あなただけの体じゃないんだから、しっかりと着込みなさい」 「それにしても提督も隅に置けないわね。 今6ヶ月なんでしょ?つまりクリスマスの時に………きゃあっ」 鳥海だけでなく高雄型の重巡洋艦姉妹も…… いや、艦娘みんながまだこの世界に存在していた。 「しっかし、お前がまさかあたし達の上官で居続けるなんてな」 「深海棲艦との戦いで頑張った結果が認められたらしいからな。 まあ割と無茶ばかりしていたけどな。 別に俺は提督の座に今でも居続けるつもりなんてなかったけど、 提督辞めたって食っていけるとは限らんからな。 だから活躍が認められて提督でいられる機会を得たなら、 俺はその期待に応えて提督で居続けるつもりだ」 「まあ、子供がもうすぐ生まれますから安定したところにいたいですしね。 ご両親にも心配をかけたくないでしょうし」 「安定…か…」 「摩耶、どうしたの?」 「だってさ……あたし達艦娘っていつ消えてもおかしくないよな」 「そうかもしれないわね。艦娘が深海棲艦と戦う力を持って生まれたということは 深海棲艦がいなくなった今、艦娘の存在理由がないかもしれないから」 「鳥海は提督にとって大切な存在となることで存在を保とうとした…… いえ、それは後付けの理由ね。 提督が鳥海を好きで、鳥海も提督に想いを抱いていて…… それは人間の持つ恋心を艦娘も持っていたということかもしれない……」 「でも鳥海だけじゃなくて艦娘みんながまだこの世界にいる…… ……もしかしたら艦娘そのものにまた別の役割があるのかもね。 例えば深海棲艦がまだどこかにいて今は表に出てきてないけどまたいつか蘇って、 その時のために私たちがまだ消えることなくこの世界にいるのか……」 「もしかしたら艦娘が次に戦う相手は人間かもしれません…… 艦娘はかつて艦だったころも日本を守るために戦い、そして守り切れず敗れてしまいました。 だからこの国を守るために艦娘は未だに居続けている…… …もしかしたら私たちの力が侵略に使われたりも…」 「そんな事!人間同士の愚かな争いなんて二度と…… そりゃあ攻められたなら戦うが、相手を不当に侵すような事なんて、絶対に!」 高雄の不安がる言葉につい強く反応してしまった。 「提督……?」 「……俺は悲劇は二度と繰り返させない……過ちは二度と繰り返させない……」 俺は決意した。提督として、戦争という行為を二度と起こさせない。 そして艦娘達を人に仇為す存在にさせないと。 「……お前、本当に昔と比べて変わったな」 「摩耶……」 「昔出会ったばかりの頃は頼りなかったけどさ、 深海棲艦との戦いの終わり頃には随分と立派になったよ。 そん時でも対深海棲艦の時くらいしか頼りになる感じがしなかったけど、 今はもう十分立派だぜ」 「そうね。これなら鳥海ちゃんを安心して任せられるわね」 「鳥海が提督を好きと知った時はほんのちょっと不安になったわ。 鳥海の決めたことだから私たちがとやかく言えることじゃなかったけどね。 今の提督は本当に立派でかっこいいわ、うふふっ!」 「姉さん……ありがとう……」 姉に認められた鳥海は本当に嬉しそうだった。もし姉達に反対されていたら… それでも俺への愛は貫いていたかもしれないけど。 「ところで鳥海、あなたは今は改二じゃないみたいね」 「ええ…」 「私や愛宕はかつて改装され、摩耶も改装こそされなかったけど対空能力を強化された。 だけど鳥海は何の改装もされなかった」 「あたしでさえ改二になれるかどうかって感じで、まあ何とか改二にはなれたけど、 かつて改装されなかった鳥海は改二になることができなかった」 「はっきり言って絶望的だったわ。でも…どうしてあの時だけ改二になれたのかしら? 鳥海ちゃん、全てを失い沈み行く中、突然光に包まれたと思ったら艤装を再生…… いえ、変形させて燃料も弾も全て回復して、 そのまま最後の深海棲艦と戦い、そして打ち倒した……」 「あの時の艤装、間違いなく改二……もしかしたらそれ以上かもしれない。 見たこともないくらい光り輝いていた…… 戦いが終わった後は元に戻ったわ。それからはもうあの時みたいにはならないけど… 一体どうやってあんなことになったの?」 「どうやってって……あの時は司令官さんをもう独りにはしたくないって強く思って…」 「もう?」 「私の中に……重巡洋艦鳥海としての記憶や… そこに乗っていた人たちの記憶とは明らかに違う情景… 幼い頃の、楽しそうに女の子と遊んでいた司令官さんの姿が見えて…」 「…鳥海が見たものが本当に提督の過去の記憶だとして、どうしてそれが見えたのかしら?」 「提督、お前鳥海に何かしたか?」 「特に何も……ん……いや、まさかな………」 「何か心あたりでもあるのか!?」 「落ち着いて摩耶!」 「かつて俺は鳥海を深海棲艦から命をかけて庇った事があった…… その時は何とか二人とも助かったけど…… その時に血を多く流してしまって、 周りにいた他の奴らから輸血されなきゃ危なかったくらいで…… つまり鳥海や艤装に、命をかけた俺の血が大量にかかったって事……だよな?」 「ええ…あまりにも多くの血が流れて……本当に心配しました……」 「じゃあ、提督の血のせいなのか?」 「俺の血だけじゃないだろう。俺が鳥海を想う気持ちと鳥海が俺を想う気持ち、 それらが俺の命をかけた熱い血潮と合わさって奇跡を起こした…… それくらいしか考えられないな」 「そうだって証明することは出来ないけど、違うとも言えないな……」 「だけど愛の力が起こした奇跡だなんてとても夢がありますよね」 「でも愛の力が起こした奇跡の最も足るものは提督と鳥海の間に、愛の結晶を作った事ね」 愛宕の言っている事はもっともな事だろう。 そりゃあ愛のない関係であろうとも生まれるものもある。 命が生まれる事、命を育む事は本能であり、 愛というものは人間が考えた綺麗事に過ぎないものかもしれない。 けど…俺は愛を信じたい。 俺が鳥海に子供を宿させられたのは彼女を想う気持ちがあったから。 彼女が人間との間に子供を作れるかどうかわからない、 彼女がいつか消えてしまうかもしれない。 そう思ってもなお、俺は彼女への愛を伝えないではいられなかった。 愛を伝えぬ内に時が愛を伝えられなくしてしまい、後悔なんてしたくなかったから。 だから愛は形となった。これは人間同士でも変わらない事のはずだろう…… 「艦娘が人間との子供を母としてその身体に宿す…… 私たち艦娘という存在も人間と変わらぬ生殖能力を持つということが言えるかもしれないわね」 「でもさ、人間と艦娘のハーフってのは一体どんな子供が生まれるんだ? 男と女で能力に差があるのか、そもそも生まれた子供はどっち寄りの存在になるのか……」 「なんにしても、もし力を持って生まれたとしたら、どんな酷い事になるか……」 「人間の科学力は戦争に関係して進歩してきたという事実はあります。 遺伝子工学の進歩によって、能力者がたくさん生まれて、また悲惨な戦争が起きてしまう…… もちろん、今の段階では断定は出来ないから杞憂に終わるかもしれないけど…… それでも今いる艦娘という存在だけでも悲劇を生み出してしまうかもしれない」 「そうなるくらいならいっそみんな消えちゃえば…」 「…何かを犠牲にしなきゃ、何かが解決しないとか、 そんなのは嫌だな……綺麗事かもしれないけど、でも……」 「提督…」 また同じ話題になった。それだけみんな不安を抱いている事のあらわれなのかもしれない。 「何もしようとせず、ただ楽な方へ流されて不幸になるなんてのは、もうゴメンだ」 「あの時の戦争も、流れの末に起きたという側面もありますからね」 「戦争が起こる理由はそれぞれ違います。 領土が欲しい、資源が欲しい、支配をしたい、支配から解放されたい、 相手が自らの信じるものと相容れない存在である、長年の怨嗟を晴らす……… 多くの場合妥協をして戦争を回避しようとつとめますが、妥協が出来なくなった時。その時…」 「戦争が起きるってわけだ。いくら口では戦争反対って言ったって、 追い詰められた奴が我慢なんてできやしないだろうさ」 「だからこそ戦争が起きないように一人一人が動かなきゃならないんだ。 何をすればいいのか具体的な事がわからない俺には他人に偉そうな事は言えないけど………… 高雄、愛宕、摩耶、鳥海……君達や他の艦娘達には戦争の悲惨さを伝えてほしい」 「戦うために造られたあたし達が戦争の否定とか説得力ないんじゃないのか?」 「確かにな。だが、戦争の悲惨さを伝えられる人間は、今この時代にはもうほとんどいない。 恐らく君達ぐらいだろう、これからもずっと正しく伝えられるのは」 「確かにそうね。私たちはあの戦争の記憶を完全に覚えている。 戦争がどのようなことだったのか、そしてその結果どうなったのか……」 「だったらあたし達は伝えてかなくちゃならないな。いつ消えちゃうかわからないしさ」 深海棲艦出現前の日本は戦争への道を進もうとしていた。艦娘が日本に多く現れたのは、 永遠に戦争放棄をすると誓ったはずの日本が再び過ちを犯すことを防ごうとしたからかもしれない。 もしかしたらそれが艦娘が未だにい続ける理由なのかもしれない。 艦娘に寿命があるのかどうかはわからない。 見た目の年齢から人間と同じように歳を重ねていくのかもわからない。 でも鳥海は俺の子供を宿した。創作だと異種族での絡みには寿命差の問題とかもあるが、 それがわかるのは今ではないだろう。ならば考えても仕方のない事だ。 「でも日本とかを守りながらというのは大変そうね」 「それでもやらなきゃならないさ。後悔なんてしない為にな。 だからみんな、力を合わせて頑張ろう!」 「はい!」 「うん!」 「おう!」 「ええ!」 四人の声が同時に響いた。 誰も未来の事なんてわからない。何が起こるか、いつ死ぬか…… 予想は出来ても、その時にならなければわからない。 今まで当たり前だった事が今から当たり前でなくなるかもしれない。 だから人間は頑張る事が出来る。 最悪の未来から逃れる為。今の幸せを守る為。より良い未来へと向かう為。 俺はかつて頑張る事が出来なかった。その時に出すべき全力を出すことが出来なかった。 今までの日常がずっと続くと思っていた。 苦しい事があっても何とかなると思い、その日暮らしをしていただけだった。 だから俺は大切なものを失ってしまった。 時間、金、友達、知識、そして、ずっと一緒にいたかった大切な人を…… 俺は後悔した。全力を出してひたむきに生きる事をまったくしてこなかった事を。 だから俺はもう二度と後悔しないよう全力で生きようと誓った。 俺は今、戦争の悲惨さを知っている艦娘という存在と共に在る。 戦争もその時にすべき事をせずに流されてしまった為に起こってしまったという事もある。 だから俺は悲劇を二度と繰り返さない為に彼女達と共に戦争を否定し続ける。 今ある命、これから生まれて来る命を守る為、 そして――愛する人と離れる事なく人生を共に歩み続ける為に―― ―完― +後書き 402 :名無しの紳士提督:2015/12/25(金) 22 39 21 ID F.hV5l7U 以上です 今回はいつもの人間=艦娘とは違い、 かつての艦船=艦娘という感じで書きました 書いていた時にリアルで精神的に辛いことがあり 11月上旬に書き始めたのに途中で停滞して1ヶ月以上かかってしまいました 自分にはシリアスよりな話は向いていないのかもしれませんね…… これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/